にわかに話題に上がってきたのが、住民税の故郷(ふるさと)納税制度だ。
率直に言って寄付だと思うが、一理あるとも感じている。ちなみに現行税法でも、地方自治体に対する寄付は全額控除の対象だが、所得控除の一つに過ぎない。自民党は税額控除方式を考えているらしい。
一方、税から少し離れるが、私は介護保険の自治体間格差の問題とも、関連を感じる。
現在、40歳以上の国民には、介護保険の納付義務が課されている。サラリーマンやOLの場合、給与から天引きされているし、年金生活者からは、その年金から天引きされている。事業者は当然に、自分で納付しているはず。納付先は、住民票の所在地の地方自治体となっている。ここに問題が生じている。
東京は多くの納税者を抱えるし、当然に介護保険の被保険者も多い。ところが入所型の介護保険施設を設置するのには問題が多い。なにせ地代、家賃は高い。人件費も地方より高い。なにより十分な土地が少ない。そのため、介護保険施設の数が足りない。そこで、致し方なく東京近郊の地方にある介護保険施設へ入らざる得ない場合が少なくない。
ところで、介護保険制度では、介護サービスを受ける高齢者は、サービスの費用のうち1割を払う。残り9割は地方自治体が負担することになる。住んでいる、つまり介護保険を収めている自治体の地域で介護サービスを受けるなら問題はない。
しかし、東京に住まいがある高齢者が、千葉の片田舎の介護保険施設に入った場合、9割の介護費負担は千葉県となる。一方、その高齢者は当然に東京で、介護保険料を納めている。さあ、困ったのは千葉県だ。県内に介護保険施設が作られ、雇用が確保され、税収も期待できると思っていたら、介護保険会計が大赤字だ!
千葉だけではない。埼玉、神奈川県、山梨県、静岡県も同様の問題を抱えて大弱り。石原・東京都知事に介護保険の応負担を求めたが、すげなく断られた。ちなみに東京都は、介護保険は大黒字。石原という知事が冷淡なのは事実だが、そもそもこのような問題が起こることを想定していなかった国の施策の欠陥なので、東京を悪役にするのも適切ではない。
この状況下で突如湧き上がった、ふるさと納税制度。当然に、石原都知事は大反対。おそらくは、財務省も不安に感じているはずだ。既に政府税調から異議が挟まれている。これまで地方交付税の配布を握っていた財務省としては、痛し痒しの問題だと思う。霞ヶ関のお役人は、自分でお金の配分を握りたがるので、納税者が勝手に税の配分をすることに否定的だと思う。多分、大きな制約を設けるか、事実上使いにくい駄目制度にしてしまうかして妨害するかもしれない。
とはいえ、地方分権の流れがあるのも確か。霞ヶ関でも意見は割れていると耳にする。はてさて、どうなるやら。興味深く追っていこうと思います。
率直に言って寄付だと思うが、一理あるとも感じている。ちなみに現行税法でも、地方自治体に対する寄付は全額控除の対象だが、所得控除の一つに過ぎない。自民党は税額控除方式を考えているらしい。
一方、税から少し離れるが、私は介護保険の自治体間格差の問題とも、関連を感じる。
現在、40歳以上の国民には、介護保険の納付義務が課されている。サラリーマンやOLの場合、給与から天引きされているし、年金生活者からは、その年金から天引きされている。事業者は当然に、自分で納付しているはず。納付先は、住民票の所在地の地方自治体となっている。ここに問題が生じている。
東京は多くの納税者を抱えるし、当然に介護保険の被保険者も多い。ところが入所型の介護保険施設を設置するのには問題が多い。なにせ地代、家賃は高い。人件費も地方より高い。なにより十分な土地が少ない。そのため、介護保険施設の数が足りない。そこで、致し方なく東京近郊の地方にある介護保険施設へ入らざる得ない場合が少なくない。
ところで、介護保険制度では、介護サービスを受ける高齢者は、サービスの費用のうち1割を払う。残り9割は地方自治体が負担することになる。住んでいる、つまり介護保険を収めている自治体の地域で介護サービスを受けるなら問題はない。
しかし、東京に住まいがある高齢者が、千葉の片田舎の介護保険施設に入った場合、9割の介護費負担は千葉県となる。一方、その高齢者は当然に東京で、介護保険料を納めている。さあ、困ったのは千葉県だ。県内に介護保険施設が作られ、雇用が確保され、税収も期待できると思っていたら、介護保険会計が大赤字だ!
千葉だけではない。埼玉、神奈川県、山梨県、静岡県も同様の問題を抱えて大弱り。石原・東京都知事に介護保険の応負担を求めたが、すげなく断られた。ちなみに東京都は、介護保険は大黒字。石原という知事が冷淡なのは事実だが、そもそもこのような問題が起こることを想定していなかった国の施策の欠陥なので、東京を悪役にするのも適切ではない。
この状況下で突如湧き上がった、ふるさと納税制度。当然に、石原都知事は大反対。おそらくは、財務省も不安に感じているはずだ。既に政府税調から異議が挟まれている。これまで地方交付税の配布を握っていた財務省としては、痛し痒しの問題だと思う。霞ヶ関のお役人は、自分でお金の配分を握りたがるので、納税者が勝手に税の配分をすることに否定的だと思う。多分、大きな制約を設けるか、事実上使いにくい駄目制度にしてしまうかして妨害するかもしれない。
とはいえ、地方分権の流れがあるのも確か。霞ヶ関でも意見は割れていると耳にする。はてさて、どうなるやら。興味深く追っていこうと思います。