「よく頑張りました」
返却された宿題に付けられた、赤いハンコである。つらづら眺めながら、いつも微妙な気持ちになったものだ。要するに努力賞ってことなのか?出来はイマイチだけど、頑張った形跡がみられるから、そこを評価してあげましょう。そういう事なのか?
どうも腑に落ちないとぼやいていたのが、ひねくれ者の小学生の私だった。
今にして思えば、妥当な評価だったのだと思う。課せられた宿題の目的から、少々逸脱していたからこそだと思う。当時から本来の目的から脱線する傾向があった。たとえば「蛹から脱皮する昆虫について調べましょう」といった宿題が出た場合、私は何を思ったのか、脱皮に失敗した昆虫の事例を探し出してきた。寄生虫やカビの胞子に取り付かれた虫の奇妙な姿に興味をもって、肝心の脱皮そのものを調べることを失念していたからだ。やはり、どこかずれていると思う。
で、綾辻行人である。この人が停滞気味であった日本のミステリー界に与えた影響は小さくない。様々なアイディアを取り入れ、驚愕のトリックを導入した実績を過小評価するつもりは無い。ないけどさ・・・時々はずすよね。いや、はずすというか、少々無理があるんじゃねえの?とぼやきたくなる作品を書くことがある。
たしかに驚愕のトリックなのだけれど、そのトリックを入れたいが故のストーリー構成じゃないのかと思えてしまうことが時々ある。ロジックは成立するけど、なんか苦しい。綾辻センセイ、苦労したんだろうなぁ~と嘆じてしまう。だから「よく頑張りました」のハンコを押して上げたくなる。
そんな典型的な作品が表題の本です。無理して読む必要はないと思います。他にもっと出来のいい作品たくさんありますから。え?だったら、そっちを紹介しろ?
ひねくれ者ですから、私。どうか、お許しあれ。
返却された宿題に付けられた、赤いハンコである。つらづら眺めながら、いつも微妙な気持ちになったものだ。要するに努力賞ってことなのか?出来はイマイチだけど、頑張った形跡がみられるから、そこを評価してあげましょう。そういう事なのか?
どうも腑に落ちないとぼやいていたのが、ひねくれ者の小学生の私だった。
今にして思えば、妥当な評価だったのだと思う。課せられた宿題の目的から、少々逸脱していたからこそだと思う。当時から本来の目的から脱線する傾向があった。たとえば「蛹から脱皮する昆虫について調べましょう」といった宿題が出た場合、私は何を思ったのか、脱皮に失敗した昆虫の事例を探し出してきた。寄生虫やカビの胞子に取り付かれた虫の奇妙な姿に興味をもって、肝心の脱皮そのものを調べることを失念していたからだ。やはり、どこかずれていると思う。
で、綾辻行人である。この人が停滞気味であった日本のミステリー界に与えた影響は小さくない。様々なアイディアを取り入れ、驚愕のトリックを導入した実績を過小評価するつもりは無い。ないけどさ・・・時々はずすよね。いや、はずすというか、少々無理があるんじゃねえの?とぼやきたくなる作品を書くことがある。
たしかに驚愕のトリックなのだけれど、そのトリックを入れたいが故のストーリー構成じゃないのかと思えてしまうことが時々ある。ロジックは成立するけど、なんか苦しい。綾辻センセイ、苦労したんだろうなぁ~と嘆じてしまう。だから「よく頑張りました」のハンコを押して上げたくなる。
そんな典型的な作品が表題の本です。無理して読む必要はないと思います。他にもっと出来のいい作品たくさんありますから。え?だったら、そっちを紹介しろ?
ひねくれ者ですから、私。どうか、お許しあれ。