ちょっと失敗したかも。
小説を原作にした映画は少なくない。私は小説のイメージを大切にしたいので、その映像化には複雑な想いを抱かざる得ない。嬉しい映画化もあれば、怒りたくなる映画化もある。
で、映画「プレイベート・ライアン」なのだが、戦争映画としては、私的にベスト3に入る名作だと思う。特にオープニングのオマハ・ビーチの上陸作戦時の激戦は、まさに迫真の映像だったと思う。ノルマンジー上陸作戦は、巷間言われるほど成功ではなく、いくつかの偶然が重なった僥倖だとの評も無理ないと思わせる迫力だ。もし、自分がプライベート(二等兵)として、あの激戦の地にいたならば、果たして生き残ることが出来ただろうか?
戦争という現象を評価するには、歴史的な見地、政治的な見地、戦略戦術的な専門的見地など多様な観方が必要だと思う。でも、忘れてはいけないのが、その戦場で命を賭けて戦う兵士の立場だと思う。虫けらのように踏み潰され、のた打ち回り、苦悶しながら死んでいく兵士たち。そして、その死を知って嘆き悲しむ兵士の家族の想い。
独裁国家ならいざ知らず、民主主義を標榜する以上、偽善と言われようと家族を戦地に送り込む国民の感情は、無視し得ない重要な要因だ。4人の子供をすべて戦場に送り、そのうち3人の死を知った家族に、残る一人を生きて戻すという、理不尽にして矛盾だらけの任務に挑む兵隊たち。それでも命令を遂行せねばならぬのが、兵隊の使命だ。これも戦争の一面なのだろう。
なんという矛盾なのだと想う。想うけれど、元々人間自体が矛盾の塊なのだから、このような矛盾した行為をするのだろう。愛しているがゆえに、憎まずにはいられない。穏やかな心の平安を求める一方で、興奮の坩堝に我を忘れる。柔らかく優しい抱擁に安らぎを覚える一方で、全力を尽くして激しく身体をぶつけ合う喜びは否定できない。この矛盾こそが、人間そのもの。
平和を求めるなら、平和を守るための道具が必要となる。それが軍隊であり、兵器でもある。もちろん情報(防諜やスパイ))も必要だし、話し合い(条約や保障機構)も大切な手段の一つだ。
もし私がノルマンジー上陸作戦における尖兵として、オマハ・ビーチに送り込まれたら・・・生き残る自信はないな。家族や友人がそこへ送り込まれるのも、可能な限り避けたいと思う。平和な世であって欲しいと思う。思うからこそ、少しでも現実的な平和の実現を目指すなら、非現実的な手段(憲法9条)には頼れない。
ところで表題の作品は、映画のシナリオを小説化したものです。映画を詳細に思い出すにはよかったけれど、原作ではないので、原作と映画を比較する面白さは欠けると思う。無理して読む必要なかったな・・・
小説を原作にした映画は少なくない。私は小説のイメージを大切にしたいので、その映像化には複雑な想いを抱かざる得ない。嬉しい映画化もあれば、怒りたくなる映画化もある。
で、映画「プレイベート・ライアン」なのだが、戦争映画としては、私的にベスト3に入る名作だと思う。特にオープニングのオマハ・ビーチの上陸作戦時の激戦は、まさに迫真の映像だったと思う。ノルマンジー上陸作戦は、巷間言われるほど成功ではなく、いくつかの偶然が重なった僥倖だとの評も無理ないと思わせる迫力だ。もし、自分がプライベート(二等兵)として、あの激戦の地にいたならば、果たして生き残ることが出来ただろうか?
戦争という現象を評価するには、歴史的な見地、政治的な見地、戦略戦術的な専門的見地など多様な観方が必要だと思う。でも、忘れてはいけないのが、その戦場で命を賭けて戦う兵士の立場だと思う。虫けらのように踏み潰され、のた打ち回り、苦悶しながら死んでいく兵士たち。そして、その死を知って嘆き悲しむ兵士の家族の想い。
独裁国家ならいざ知らず、民主主義を標榜する以上、偽善と言われようと家族を戦地に送り込む国民の感情は、無視し得ない重要な要因だ。4人の子供をすべて戦場に送り、そのうち3人の死を知った家族に、残る一人を生きて戻すという、理不尽にして矛盾だらけの任務に挑む兵隊たち。それでも命令を遂行せねばならぬのが、兵隊の使命だ。これも戦争の一面なのだろう。
なんという矛盾なのだと想う。想うけれど、元々人間自体が矛盾の塊なのだから、このような矛盾した行為をするのだろう。愛しているがゆえに、憎まずにはいられない。穏やかな心の平安を求める一方で、興奮の坩堝に我を忘れる。柔らかく優しい抱擁に安らぎを覚える一方で、全力を尽くして激しく身体をぶつけ合う喜びは否定できない。この矛盾こそが、人間そのもの。
平和を求めるなら、平和を守るための道具が必要となる。それが軍隊であり、兵器でもある。もちろん情報(防諜やスパイ))も必要だし、話し合い(条約や保障機構)も大切な手段の一つだ。
もし私がノルマンジー上陸作戦における尖兵として、オマハ・ビーチに送り込まれたら・・・生き残る自信はないな。家族や友人がそこへ送り込まれるのも、可能な限り避けたいと思う。平和な世であって欲しいと思う。思うからこそ、少しでも現実的な平和の実現を目指すなら、非現実的な手段(憲法9条)には頼れない。
ところで表題の作品は、映画のシナリオを小説化したものです。映画を詳細に思い出すにはよかったけれど、原作ではないので、原作と映画を比較する面白さは欠けると思う。無理して読む必要なかったな・・・