私は不器用なのか、自分でやったことのないスポーツは、さっぱり分からない。
小学生までは、野球しか知らなかった。いや、野球にしか関心がなかった。ところが中学校は、都内で2番目に広い校庭を持ち、サッカーの予選大会の会場になることが多い学校だった。サッカー部も区立中学では強いほうだった。
帰宅部というより、夜遊び部だった私は、まじめな部活なんぞ興味はなかったが、サッカー部には仲のいい友達が多く、よく応援に行った。野球とはまったく違う動きに惹きつけられた。体育の授業でやってみると、これまた面白い。真面目に走るのが嫌だったので、入部こそしなかったがサッカーの試合は、よく観る様になった。
当時、長島は引退して野球が少しツマラナク思えた時期だったので、ことさらサッカーに惹かれた。サッカー雑誌などに出ているペレやベッケンバウアー、クライフらの記事に見とれたが、当時はワールドカップの放送すら滅多になく、得られる情報は限られていた。
そんな私たちにとって、一番夢中になれたのが高校選手権だった。それも夏の総体ではなく、冬の選手権、通称高校サッカーだった。武南、静商、帝京、四日市中央、国見などの強豪高の試合に夢中になったものだった。当時はプロ・リーグはまだ無く、社会人サッカーは見る機会に乏しかった。正月の天皇杯は欠かさず見ていたが、高校サッカーほどの熱気は感じられなかった。Jリーグが始まるまでは、日本では高校サッカーが一番見応えのあるサッカーだったと思う。
実際、70年代から80年代に私が見た限りでは、大人たちのサッカーはまるで世界に通用しなかった。その兆しさえなかった。日本代表の試合は、観るのが辛いものだった。しかし、高校生の世代なら、意外なほど戦えた。ジュニアの大会とはいえ、世界大会では中位くらいにはコンスタントに入る実力があったと記憶している。うろ覚えだが、当時世界最強だったアルゼンチンや西ドイツのジュニアチームとも、けっこういい勝負をしていたように思えた。それなのに、大人になると格段に弱くなる・・・やはりプロ・リーグの有無は大きいと思う。
表題の漫画は、まだサッカーがマイナーなスポーツで人気が無かった頃に、週刊少年マガジン誌上に長く連載された。週刊少年ジャンプの「キャプテン翼」と並んで、子供たちにサッカーの面白さを伝えた功労者だと思う。この下地があってこそ、90年代のJリーグの成功があったと私は考えています。それにしても、五郎ちゃん。GKからFWにコンバートされた選手なんざ、究極の万能選手だわさ。その後、メキシコのカンポス選手が、それを実際にやってのけたから、事実は漫画より奇なりと呆れたものです。
現在、日本のサッカーは中田英が引退し、稲本、高原、小野ら黄金世代の後の若手が十分育っておらず、アンダー21以下は低迷しているのが実情です。でも、私は昔ほど悲観していません。今ならJリーグがある。ここで育った選手たちが、きっと世界と戦ってくれるでしょう。
小学生までは、野球しか知らなかった。いや、野球にしか関心がなかった。ところが中学校は、都内で2番目に広い校庭を持ち、サッカーの予選大会の会場になることが多い学校だった。サッカー部も区立中学では強いほうだった。
帰宅部というより、夜遊び部だった私は、まじめな部活なんぞ興味はなかったが、サッカー部には仲のいい友達が多く、よく応援に行った。野球とはまったく違う動きに惹きつけられた。体育の授業でやってみると、これまた面白い。真面目に走るのが嫌だったので、入部こそしなかったがサッカーの試合は、よく観る様になった。
当時、長島は引退して野球が少しツマラナク思えた時期だったので、ことさらサッカーに惹かれた。サッカー雑誌などに出ているペレやベッケンバウアー、クライフらの記事に見とれたが、当時はワールドカップの放送すら滅多になく、得られる情報は限られていた。
そんな私たちにとって、一番夢中になれたのが高校選手権だった。それも夏の総体ではなく、冬の選手権、通称高校サッカーだった。武南、静商、帝京、四日市中央、国見などの強豪高の試合に夢中になったものだった。当時はプロ・リーグはまだ無く、社会人サッカーは見る機会に乏しかった。正月の天皇杯は欠かさず見ていたが、高校サッカーほどの熱気は感じられなかった。Jリーグが始まるまでは、日本では高校サッカーが一番見応えのあるサッカーだったと思う。
実際、70年代から80年代に私が見た限りでは、大人たちのサッカーはまるで世界に通用しなかった。その兆しさえなかった。日本代表の試合は、観るのが辛いものだった。しかし、高校生の世代なら、意外なほど戦えた。ジュニアの大会とはいえ、世界大会では中位くらいにはコンスタントに入る実力があったと記憶している。うろ覚えだが、当時世界最強だったアルゼンチンや西ドイツのジュニアチームとも、けっこういい勝負をしていたように思えた。それなのに、大人になると格段に弱くなる・・・やはりプロ・リーグの有無は大きいと思う。
表題の漫画は、まだサッカーがマイナーなスポーツで人気が無かった頃に、週刊少年マガジン誌上に長く連載された。週刊少年ジャンプの「キャプテン翼」と並んで、子供たちにサッカーの面白さを伝えた功労者だと思う。この下地があってこそ、90年代のJリーグの成功があったと私は考えています。それにしても、五郎ちゃん。GKからFWにコンバートされた選手なんざ、究極の万能選手だわさ。その後、メキシコのカンポス選手が、それを実際にやってのけたから、事実は漫画より奇なりと呆れたものです。
現在、日本のサッカーは中田英が引退し、稲本、高原、小野ら黄金世代の後の若手が十分育っておらず、アンダー21以下は低迷しているのが実情です。でも、私は昔ほど悲観していません。今ならJリーグがある。ここで育った選手たちが、きっと世界と戦ってくれるでしょう。