世間とは残酷なものだ。才能あふれ、世の賛美を謳歌していたとしても、やがては世間から忘れ去られる。才能が枯渇した場合もあろうし、自らが求めるものと世間が求めるものとの不一致もあろう。恋情に溺れて失うこともあれば、妬み嫉みから足を引っ張られる場合もあると思う。
日本では、毎年多くの漫画家がデビューする。しかし、5年後に残っている人は多くはないのが実情だ。つまり、ほとんどの漫画家が、世に知られること無く消えていく。アシスタントとして生きていく人もいれば、まったく違う業種へ変わる人もいる。最近の流行はTVゲーム業界だと聞いた。出版社でも、才能がないと見切った人には、早めに他の業界への転進を勧奨するようだ。
一方、それなりにヒット作を生み出した漫画家も大変だ。現在のシステムでは、週刊誌連載では食べていくのがやっとだ。単行本が出て、印税が入ってきて、ようやく一息つける。ごく一部の売れっ子ともなると、プライベートで東京ディズニーランドを貸しきった御仁もいるとか。いやはや、とんでもない稼ぎぶりだ。
しかし、何事でもそうだが、売れっ子で居続けることは難しい。あの手塚治虫ですら低迷した時期はあった。それでも、新しい作風を取り入れ、復活を果たしたから凄い。作画の技術ではなく、その漫画家個人としての仕事への情熱や、モチベーションなどが大きく関っているのだろうと思う。
では、復活を果たせなかった漫画家はどうなる?
かつては、それなりに知名度もあり、稼ぎもあったが、いつのまにやら消えてしまった数多くの漫画家たち。その消息を追ったのが表題の本だ。ある意味、とても残酷な企画でもある。TVのワイドショーや週刊誌などが時々企画する「あの人は今」の漫画家版だ。
自殺したちばあきお、一世を風靡した鴨川つばめ、消えたり戻ったりの冨樫義博などを取り上げていた。辛いな、と思ったのが鴨川つばめ。大好きな漫画でしたよ「マカロニほうれん荘」。ギャグ漫画を描き続けることが、あれほど過酷な作業だとは知らなかった。編集部の意向に押しつぶされた冨樫義博もまた印象的でした。いったい、誰が「幽幽白書」の魔界編を作ったんだ?
大手出版社からは、ほとんど取材拒否されたこの企画ですが、読者受けは良かったようで続編が出たくらいです。正直、下種な印象もあるのですが、誰かが書かねばならぬ企画だったとも思います。機会がありましたら、是非どうぞ。
日本では、毎年多くの漫画家がデビューする。しかし、5年後に残っている人は多くはないのが実情だ。つまり、ほとんどの漫画家が、世に知られること無く消えていく。アシスタントとして生きていく人もいれば、まったく違う業種へ変わる人もいる。最近の流行はTVゲーム業界だと聞いた。出版社でも、才能がないと見切った人には、早めに他の業界への転進を勧奨するようだ。
一方、それなりにヒット作を生み出した漫画家も大変だ。現在のシステムでは、週刊誌連載では食べていくのがやっとだ。単行本が出て、印税が入ってきて、ようやく一息つける。ごく一部の売れっ子ともなると、プライベートで東京ディズニーランドを貸しきった御仁もいるとか。いやはや、とんでもない稼ぎぶりだ。
しかし、何事でもそうだが、売れっ子で居続けることは難しい。あの手塚治虫ですら低迷した時期はあった。それでも、新しい作風を取り入れ、復活を果たしたから凄い。作画の技術ではなく、その漫画家個人としての仕事への情熱や、モチベーションなどが大きく関っているのだろうと思う。
では、復活を果たせなかった漫画家はどうなる?
かつては、それなりに知名度もあり、稼ぎもあったが、いつのまにやら消えてしまった数多くの漫画家たち。その消息を追ったのが表題の本だ。ある意味、とても残酷な企画でもある。TVのワイドショーや週刊誌などが時々企画する「あの人は今」の漫画家版だ。
自殺したちばあきお、一世を風靡した鴨川つばめ、消えたり戻ったりの冨樫義博などを取り上げていた。辛いな、と思ったのが鴨川つばめ。大好きな漫画でしたよ「マカロニほうれん荘」。ギャグ漫画を描き続けることが、あれほど過酷な作業だとは知らなかった。編集部の意向に押しつぶされた冨樫義博もまた印象的でした。いったい、誰が「幽幽白書」の魔界編を作ったんだ?
大手出版社からは、ほとんど取材拒否されたこの企画ですが、読者受けは良かったようで続編が出たくらいです。正直、下種な印象もあるのですが、誰かが書かねばならぬ企画だったとも思います。機会がありましたら、是非どうぞ。