勝てば官軍。
恥を忍んで白状すると、WBCの日本代表監督に巨人の原監督が就任したと聞いた時「こりゃ、駄目だぁ」と思ったのは確かです。
王監督ほどのカリスマ性はなく、野村監督ほどの智謀もない。巨人の監督ならまだしも、野武士の集団をまとめあげる力量はないと、端から見下していた。
しかし、WBC二連覇を成し遂げ、雄々しく凱旋帰国。この実績の前には何も言えない。
優勝の瞬間、東海道線の車中に居て、ワンセグ等で試合を観ていた乗客の歓声で勝利を知った私としては、改めて原監督を見直せねばなるまい。
試合の大半を夜の再放送で観ていたが、その采配は退屈なぐらいにオーソドックスで、奇策も驚きも無い。絶不調のイチローを頑固に使い続ける一方、投手交代は迅速を極め、抑えの要の藤川さえもその様子をみて、あっさりとダルビッシュに代えてしまう。これだけが驚きだったが、後は大方予想通りの戦い方であった。
多分、出場チーム中最も長打力のないチームであったが、一方最も守備力の高いチームでもあった。なにより大量失点をしない手堅さがあった。ここに勝因があったと思う。
原監督は大学生の頃からスター選手であり、巨人では押しも押されぬ看板打者。どうしてもお坊ちゃんのイメージが抜けきれないため、巨人の監督になっても若すぎると軽く見られる傾向があった。
しかし、若い頃からスターであったため、スター選手の気持ちが分る監督でもあったようだ。なにより嫉妬がなく陽性で、それゆえに中立公正なイメージも活きて、若い選手たちと上手く接することが出来たのだと思う。
私がそのことに気づいたのは、優勝後の控え室での場面を見てからだった。私の偏見かもしれないが、一度巨人の監督をクビになり、精神的にタフになったことが影響しているかもしれない。
韓国との差はわずかであり、負けても不思議の無い接戦であった。そしてもし負けていたなら、拙攻(残塁多し)と采配ミス(打てない選手を使い続けた)を批難されたであろう。しかし、勝てば全てが許される。
私個人としては、この勝てば官軍の思想は好きではない。むしろ、勝って兜の緒を引き締めて欲しいが、それでも今は勝利の美酒に酩酊することを許したい気分だ。なにせ、ここしばらく、これほど国民を沸かせたイベントは無かった。不況、リストラ、梼Yと暗いニュースばかりの世情を明るく照らしてくれたことに感謝です。
恥を忍んで白状すると、WBCの日本代表監督に巨人の原監督が就任したと聞いた時「こりゃ、駄目だぁ」と思ったのは確かです。
王監督ほどのカリスマ性はなく、野村監督ほどの智謀もない。巨人の監督ならまだしも、野武士の集団をまとめあげる力量はないと、端から見下していた。
しかし、WBC二連覇を成し遂げ、雄々しく凱旋帰国。この実績の前には何も言えない。
優勝の瞬間、東海道線の車中に居て、ワンセグ等で試合を観ていた乗客の歓声で勝利を知った私としては、改めて原監督を見直せねばなるまい。
試合の大半を夜の再放送で観ていたが、その采配は退屈なぐらいにオーソドックスで、奇策も驚きも無い。絶不調のイチローを頑固に使い続ける一方、投手交代は迅速を極め、抑えの要の藤川さえもその様子をみて、あっさりとダルビッシュに代えてしまう。これだけが驚きだったが、後は大方予想通りの戦い方であった。
多分、出場チーム中最も長打力のないチームであったが、一方最も守備力の高いチームでもあった。なにより大量失点をしない手堅さがあった。ここに勝因があったと思う。
原監督は大学生の頃からスター選手であり、巨人では押しも押されぬ看板打者。どうしてもお坊ちゃんのイメージが抜けきれないため、巨人の監督になっても若すぎると軽く見られる傾向があった。
しかし、若い頃からスターであったため、スター選手の気持ちが分る監督でもあったようだ。なにより嫉妬がなく陽性で、それゆえに中立公正なイメージも活きて、若い選手たちと上手く接することが出来たのだと思う。
私がそのことに気づいたのは、優勝後の控え室での場面を見てからだった。私の偏見かもしれないが、一度巨人の監督をクビになり、精神的にタフになったことが影響しているかもしれない。
韓国との差はわずかであり、負けても不思議の無い接戦であった。そしてもし負けていたなら、拙攻(残塁多し)と采配ミス(打てない選手を使い続けた)を批難されたであろう。しかし、勝てば全てが許される。
私個人としては、この勝てば官軍の思想は好きではない。むしろ、勝って兜の緒を引き締めて欲しいが、それでも今は勝利の美酒に酩酊することを許したい気分だ。なにせ、ここしばらく、これほど国民を沸かせたイベントは無かった。不況、リストラ、梼Yと暗いニュースばかりの世情を明るく照らしてくれたことに感謝です。