御用学者と呼ばれる人たちがいる。
この人たちの発言には、不快にさせられることが多いが、反面その裏にある政府(というか官僚)の本音が透けて見えて興味深い。
私が先月書いたように、医者のレセプト請求のオンライン化が事実上骨抜きにされた。IT化に対応できない高齢の医師が多いことを思えば、当然のことだと思う。とりわけ過疎地の医療を支える医師たちに必要なのはITではない。
すると新聞に大田弘子というどこぞの大学教授の意見が掲載されていた。要旨としては、レセプト請求のオンライン化は是非とも進めるべきだ。レセプトの不正請求を防ぎ、医療費の無駄遣いを減らすオンライン化は断固推し進めるべきだとのことである。
別に意見を出すのは良いが、厚生労働省の元々の主張をなぞっただけの意見で、さしたる新味はない。むしろ、その背後にあるであろう厚生労働省の役人たちの意識が垣間見えることが興味深い。
一見まともに思える意見だが、実のところ現場を知っている身からすれば、現場知らずを露呈している程度の意見に過ぎない。
まずレセプトの不正請求はオンライン化しようとしまいと、今後もなくならない。これは現場の医師の倫理観の問題でもある。また保険点数の歪みを放置している以上、医師はどこかで帳尻を合わせようとするから、無くなるわけがない。
個々の診療に点数をつけるのはいいが、診療は平均的なものばかりでない以上、やはり無理がある。これは致し方ないことでもあるが、あまりに画一的すぎると感じている医者は少なくない。
ただし明らかに過剰に不正なレセプト請求もあるのは確かだ。でも、オンライン化でも無くなるわけがない。人間の悪知恵は尽きること無い。だからこそ、審査が必要なのだ。オンライン化したって審査がなくなるわけじゃない。
それと根本的な勘違いが、オンライン化によるコスト削減だ。私の知る限り、IT設備とオンライン化はどちらかといえば、コストを増加させる。ITソフトの維持費用はともかく、プリンターのトナーは高額であり、なにより紙の使用量を増加させる。
面白いことに、IT化を導入して画面上に情報が表示されるにも関らず、それをプリントアウトする人が圧倒的に多い。しかも、安易にそれをやるため、結果的に紙の使用量が増大する。これはなにより製紙業界の出荷量増大が証明している。IT化は必ずしもコスト削減にはならない。
ただし、数値情報の整理には非常に有効なのも事実。このありがたみは、私自身痛感している。いまさらPC抜きで仕事をする気にはなれないほどだ。
つまるところレセプトのオンライン請求では、データーの入力という面倒な作業を民間の医院に押し付け、役所としてはそのデーターを分析するだけでいいという意味での医療費の無駄遣い減らしが本音であろう。
保険点数の減額と、患者数の減少で収入を減らしつつある医師にコストを負担させようと目論んだレセプト請求のオンライン化が医師から反発を受けるのは当然なのだ。
いずれにせよ、オンライン化は強行すれば、地方の過疎地の医療は崩壊する可能性が高い。会計帳簿でさえ手書きの個人医院に、今更コンピューター導入なんて無理なことは、地方の高齢者を顧客に持つ私には自明のことだ。レセプト請求をすべてオンライン化すれば、それに対応できない高齢な医師は廃業せざるえない。
その責任をとる気は、厚生労働省にはあるまい。現場を知らぬデスクワーカーの知恵には限界がある。一度快適なオフィスを出て、過疎地の医療の現場で働いてみろ。そうすりゃ、少しは自分たちの愚かさが分ろうってもんだ。
ま、それでも彼ら官僚は失敗を認めないと思うけどね。それを許している有権者も悪いのだけれどさ。
この人たちの発言には、不快にさせられることが多いが、反面その裏にある政府(というか官僚)の本音が透けて見えて興味深い。
私が先月書いたように、医者のレセプト請求のオンライン化が事実上骨抜きにされた。IT化に対応できない高齢の医師が多いことを思えば、当然のことだと思う。とりわけ過疎地の医療を支える医師たちに必要なのはITではない。
すると新聞に大田弘子というどこぞの大学教授の意見が掲載されていた。要旨としては、レセプト請求のオンライン化は是非とも進めるべきだ。レセプトの不正請求を防ぎ、医療費の無駄遣いを減らすオンライン化は断固推し進めるべきだとのことである。
別に意見を出すのは良いが、厚生労働省の元々の主張をなぞっただけの意見で、さしたる新味はない。むしろ、その背後にあるであろう厚生労働省の役人たちの意識が垣間見えることが興味深い。
一見まともに思える意見だが、実のところ現場を知っている身からすれば、現場知らずを露呈している程度の意見に過ぎない。
まずレセプトの不正請求はオンライン化しようとしまいと、今後もなくならない。これは現場の医師の倫理観の問題でもある。また保険点数の歪みを放置している以上、医師はどこかで帳尻を合わせようとするから、無くなるわけがない。
個々の診療に点数をつけるのはいいが、診療は平均的なものばかりでない以上、やはり無理がある。これは致し方ないことでもあるが、あまりに画一的すぎると感じている医者は少なくない。
ただし明らかに過剰に不正なレセプト請求もあるのは確かだ。でも、オンライン化でも無くなるわけがない。人間の悪知恵は尽きること無い。だからこそ、審査が必要なのだ。オンライン化したって審査がなくなるわけじゃない。
それと根本的な勘違いが、オンライン化によるコスト削減だ。私の知る限り、IT設備とオンライン化はどちらかといえば、コストを増加させる。ITソフトの維持費用はともかく、プリンターのトナーは高額であり、なにより紙の使用量を増加させる。
面白いことに、IT化を導入して画面上に情報が表示されるにも関らず、それをプリントアウトする人が圧倒的に多い。しかも、安易にそれをやるため、結果的に紙の使用量が増大する。これはなにより製紙業界の出荷量増大が証明している。IT化は必ずしもコスト削減にはならない。
ただし、数値情報の整理には非常に有効なのも事実。このありがたみは、私自身痛感している。いまさらPC抜きで仕事をする気にはなれないほどだ。
つまるところレセプトのオンライン請求では、データーの入力という面倒な作業を民間の医院に押し付け、役所としてはそのデーターを分析するだけでいいという意味での医療費の無駄遣い減らしが本音であろう。
保険点数の減額と、患者数の減少で収入を減らしつつある医師にコストを負担させようと目論んだレセプト請求のオンライン化が医師から反発を受けるのは当然なのだ。
いずれにせよ、オンライン化は強行すれば、地方の過疎地の医療は崩壊する可能性が高い。会計帳簿でさえ手書きの個人医院に、今更コンピューター導入なんて無理なことは、地方の高齢者を顧客に持つ私には自明のことだ。レセプト請求をすべてオンライン化すれば、それに対応できない高齢な医師は廃業せざるえない。
その責任をとる気は、厚生労働省にはあるまい。現場を知らぬデスクワーカーの知恵には限界がある。一度快適なオフィスを出て、過疎地の医療の現場で働いてみろ。そうすりゃ、少しは自分たちの愚かさが分ろうってもんだ。
ま、それでも彼ら官僚は失敗を認めないと思うけどね。それを許している有権者も悪いのだけれどさ。