隣の芝は綺麗に見えるそうだ。
わかっちゃいるけど、それでも羨ましく思った。
何がって、アメリカにおける公的資金を受けた金融機関が支払った、高額ボーナスに対する懲罰的課税だ。なんでもボーナスに対して90%の税額をかけるとか。大衆の憤りを受けての人気取り的政策ではあるが、それでもアメリカにおける倫理観のあり方からして、意味あることなのだろう。
で、十数年前の日本はどうだったか?
思い出すだけで腹がたつ。まず、住専の経営者どもだ。あれだけ貸付債権を焦げ付かせ、経営破たんに陥ったにもかかわらず、しっかり退職金をせしめて他の公益法人や財団によこすべり。まあ、元々退職金目当てのキャリア官僚OBだから、経営責任など脳裏をかすめもしなかったのだろう。
さらに腹立たしいのは、その住専の経営破たんを知りながら、かつての先輩たちに法的罰則が及ばぬ時効まで先延ばしにした上で、破綻処理を命じた旧・大蔵省のエリートと言う名のバカどもだ。
さらに住専に出資していた農協様を救済するため、公的資金を導入させた当時の政治家どもも同罪だ。もちろん、農水省も一役買っている。自らの利権と票田でもある農民票をまもるため奔走した自民党の政治家様もさることながら、役人の言いなりで、何をしでかしたのか、まるで理解していなかった社会党のお間抜け議員たちも腹立たしい。
そして銀行をはじめとした護送船団の面々だ。あれだけ不良債権を出し、貸し渋り、貸し剥がしを強行して不況を起しながら、しっかり高額な退職金をせしめて知らん振り。
とどめは記者クラブで安穏と自主規制の名の下に、不良債権報道を控えた日本のマスコミ様たちだ。知らなかったとは言わせない。当時ニューズウィークだけが、この自主規制に従わず、70兆という不良債権の数字を暴露してしまったが、同じ情報源を持つ日本のマスコミは知らん振り。
私が日本の不良債権問題の実相をはじめて知ったのが、表題の本を読んだ頃でした。当時は日経をはじめ大手メディア様は大蔵省の言いなり。それに異議をとなえた東谷氏は異端のジャーナリストとして排除される有様でした。
アメリカの場合、まだまだこれからが本番なので、結論を出すには早すぎるが、それでも日本よりもはるかにマシに思えて仕方ない。
権限を持ちながら何もせずに看過した大蔵省。経営破たんを知りながら、高額な退職金をせしめた金融機関の経営者たち。自ら甘い汁をすすりながら、その結果責任を国民に押し付けた政治業者ども。報ずるべきを報じず、厚かましくも「国民全体で負担すべき」などと主張したマスコミども。誰一人、罰せられず、の醜悪さが不快で仕方ない。
金融システムは現代経済の欠くべからざる大動脈であり、その救済に税金を投入する政策には同意できます。反面、その金融不安をもたらした当事者たちに対する処罰を欠いたことが、良かったことなのか私は大いに疑問です。
東谷氏はときおり妙な異論を唱えますが、それでも大手マスコミや御用学者様が報じない事実を知らせてくれるジャーナリストであり、貴重な存在だと私は考えています。
わかっちゃいるけど、それでも羨ましく思った。
何がって、アメリカにおける公的資金を受けた金融機関が支払った、高額ボーナスに対する懲罰的課税だ。なんでもボーナスに対して90%の税額をかけるとか。大衆の憤りを受けての人気取り的政策ではあるが、それでもアメリカにおける倫理観のあり方からして、意味あることなのだろう。
で、十数年前の日本はどうだったか?
思い出すだけで腹がたつ。まず、住専の経営者どもだ。あれだけ貸付債権を焦げ付かせ、経営破たんに陥ったにもかかわらず、しっかり退職金をせしめて他の公益法人や財団によこすべり。まあ、元々退職金目当てのキャリア官僚OBだから、経営責任など脳裏をかすめもしなかったのだろう。
さらに腹立たしいのは、その住専の経営破たんを知りながら、かつての先輩たちに法的罰則が及ばぬ時効まで先延ばしにした上で、破綻処理を命じた旧・大蔵省のエリートと言う名のバカどもだ。
さらに住専に出資していた農協様を救済するため、公的資金を導入させた当時の政治家どもも同罪だ。もちろん、農水省も一役買っている。自らの利権と票田でもある農民票をまもるため奔走した自民党の政治家様もさることながら、役人の言いなりで、何をしでかしたのか、まるで理解していなかった社会党のお間抜け議員たちも腹立たしい。
そして銀行をはじめとした護送船団の面々だ。あれだけ不良債権を出し、貸し渋り、貸し剥がしを強行して不況を起しながら、しっかり高額な退職金をせしめて知らん振り。
とどめは記者クラブで安穏と自主規制の名の下に、不良債権報道を控えた日本のマスコミ様たちだ。知らなかったとは言わせない。当時ニューズウィークだけが、この自主規制に従わず、70兆という不良債権の数字を暴露してしまったが、同じ情報源を持つ日本のマスコミは知らん振り。
私が日本の不良債権問題の実相をはじめて知ったのが、表題の本を読んだ頃でした。当時は日経をはじめ大手メディア様は大蔵省の言いなり。それに異議をとなえた東谷氏は異端のジャーナリストとして排除される有様でした。
アメリカの場合、まだまだこれからが本番なので、結論を出すには早すぎるが、それでも日本よりもはるかにマシに思えて仕方ない。
権限を持ちながら何もせずに看過した大蔵省。経営破たんを知りながら、高額な退職金をせしめた金融機関の経営者たち。自ら甘い汁をすすりながら、その結果責任を国民に押し付けた政治業者ども。報ずるべきを報じず、厚かましくも「国民全体で負担すべき」などと主張したマスコミども。誰一人、罰せられず、の醜悪さが不快で仕方ない。
金融システムは現代経済の欠くべからざる大動脈であり、その救済に税金を投入する政策には同意できます。反面、その金融不安をもたらした当事者たちに対する処罰を欠いたことが、良かったことなのか私は大いに疑問です。
東谷氏はときおり妙な異論を唱えますが、それでも大手マスコミや御用学者様が報じない事実を知らせてくれるジャーナリストであり、貴重な存在だと私は考えています。