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ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

はじめての○○

2009-06-09 06:27:00 | 日記
どこぞのTV番組で「はじめてのお使い」とかいう番組があったようだが。なかなかに面白い企画だと思う。私の場合、はじめてのお使いなんざ覚えていないが、はじめての痴漢ならよ~く覚えている。

高校生になった頃、普段はもっぱら自転車で片道20分かけて通学していた。しかし、その日はたまたま雨で、バスか電車か迷ったあげく、渋滞する246号線を横目に、東急世田谷線に乗った。

通称「玉電」である。私の住む三軒茶屋と下高井戸を20分あまりで結ぶ二両編成の古臭い電車だ。なにせ床は木貼りであり、雨が降るといささかタール臭い。自転車を少し早く漕いだ程度のスピードで、のんびりガタガタ揺れて進む。

私は友達と窓際に立ち、窓枠に手を載せて身体を支えていた。奇しくも友人も同じポーズであった。

この電車の線路は住宅街の間を縫って走るせいか、時々線路上に石を置いたりする悪戯がされることがある。犯人は大概、無邪気な子供だろう。石の大きさにもよるが、たまに大きく揺れることがある。

その時も、けっこう揺れた。私たち二人の横に立っていた女子高生が、揺れる電車に耐えかねて、窓側に唐鼕かってきた。

気がついた時には、私と友人の窓枠に置いた手の上に柔らかい感触とともに、女子高生のふくよかな胸が押し付けられていた。

はぅ?!

三人同時に眼があった。頬を真っ赤に染め上げる彼女はともかく、私たち二人は口をポカンと空けて時間が止まった。多分、数秒間固まっていたと思う。

沿線のお嬢様学校の制服を着ていた彼女は、動転したのか恥ずかしさか、次の駅で扉が開くとともに急いで降りていった。それを呆然と見送った私たちは、笑っているのか、照れているのか、自分でもよく分らない。想像だが、傍から見たら、かなり間抜けな表情だったと思う。

その日一日、学校ではじめての痴漢体験を喋りまくっていたことだけは、よく覚えている。クラスメイトの男子どもの羨望の眼差しを受ける一方、女子たちの冷たい視線が突き刺さっていたようだが、興奮しまくった私たちは気がつかなかった。

翌日になり醒めると「あれは正当防衛だ」とか「あれは偶発的事故だ」とか言い訳したが、クラスの女子たちの冷たい視線は、なかなかに解けなかったと思う。

一応断言させてもらうと、あれが最初で最後の痴漢体験だった。ただし被害者経験ならその後味わっているが、これは又の機会に書きたい。

それはともかく、あの頃は女体は神秘だった。あんなことで一日中興奮できたのだから、バカだと思う一方、あの新鮮な感受性だけは懐かしく思う。

この季節、雨のなかで揺れる電車に乗っていると、ついつい思い出してしまう。多分一生忘れないだろうね。アホだな、私は。
コメント (3)
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