日本は敗戦国である。
この事実は、敗戦の日から半世紀たった今でも変わらない。このことは、自衛隊と称する軍隊の中味をみても分る。世界第7位の巨大な軍事予算を持つ軍隊であるにもかかわらず、その構成は極めていびつだ。
特徴的なのは、対潜水艦部隊と防空部隊に現われる。これらの部隊の目的は、在日アメリカ軍の護衛にある。世界最大、最強の艦隊であるアメリカ第七艦隊にとって最大の脅威である敵潜水艦を発見し、撃退する能力は世界最高水準にあるのが、日本の海軍だ。
またアメリカ本土以外で、最大の武器弾薬燃料保管庫である在日米軍基地を守るため、これまた世界最高級の装備を備えているのが日本の空軍だ。
要するに、アメリカ軍護衛部隊であり、アメリカ軍補給基地防衛部隊でもある。自衛隊なんて呼称は相応しくないと私は思う。せいぜい、間接自衛隊だわな。むしろアメリカ軍護衛隊でもいいくらいだ。
だから当然に単独で外国へ侵略する能力は、ほとんどない。そのことは、日本軍の構成を分析すれば分る。当然である。半世紀前、国力の大半を用いてアメリカ様に逆らった国に、再びアメリカを襲いかねない軍隊など許せるわけがない。
このことは、ドイツも同様だ。かつて強大な空軍、海軍をもったドイツ帝国は、いまや陸軍に極端に偏った軍隊しか持たせてもらえない。
現代の覇権国家であるアメリカにとって、日本列島は重要な戦略拠点だ。ユーラシア大陸の東への入り口であり、太平洋防衛の要として、日本列島以上に優れた拠点は存在しない。
アメリカの軍政略の要である巨大空母だが、アメリカ本土以外で母港を置くのは日本だけだ。単に良港を備えているだけでは駄目だ。艦船の整備が十分にできなければならない。
空母を建造した国はいくつもあるが、現代のジェット戦闘機を離発着できる空母を実用化したのはアメリカだけだ。その原因の一つにカタパルトにある。蒸気の力を使って十トン以上ある戦闘機を弾き飛ばす装置だが、この実用化がきわめて難しい。イギリスは諦めて垂直離発着機シーハリアーを開発した。ロシアは開発できたものの、実戦で使いうるほどの信頼性をもたせることに失敗した。フランスでさえ実戦に耐えうるほどのカタパルトには自信がない。
このカタパルトを整備できるのは、アメリカ本土の海軍工廠以外では日本だけだ。しかも、その整備技術は極めて高く、老朽艦である空母ミッドウェイが長く活躍できたのも、日本を母港としていたからであることは、アメリカ海軍関係者の間では有名な話だ。
たんに地理上の拠点としてならば、他にも有意義な場所はあるが、高度な工業力を備えた補給基地を提供できるのは、日本列島だけなのだ。
だからアメリカは日本列島を手放すことをしない。アメリカが現在の政治的地位を維持したいのなら、日本列島に拠点を設けることは絶対要件と化している。
従って、日本が独自の国防策、軍事的自立などを果たすことは絶対に認めない。必要とあらば内乱、クーデターを起してでも、アメリカの権益を守るはずだ。万が一にでも、日本がアメリカに敵対することになったならば、三度目の核攻撃があってもおかしくない。敵よりも裏切り者への攻撃が苛烈になるのは、古今東西変ることのない真実だ。
哀れなる敗戦国の住民としては、この屈辱的な状況から、いかに有利な局面を見出すかが、戦後の日本の活路であった。それが日米安保であり、経済立国であった。この状況は、敗戦後半世紀たった今も変わることはない。
いくら戦後、アメリカの保護下で繁栄できたとはいえ、アメリカの傲慢さに反感を抱くのは仕方ないと私も思う。しかし、現実に出来ることは限られる。お気楽に反米発言を弄するよりも、より過酷で惨めな敗戦国としての日本の現実を認識することが必要だと思うのです。軍事音痴なマスコミが報じないこの実情を知るに、表題の本はその一助になると思うので、機会がありましたらどうぞ。
この事実は、敗戦の日から半世紀たった今でも変わらない。このことは、自衛隊と称する軍隊の中味をみても分る。世界第7位の巨大な軍事予算を持つ軍隊であるにもかかわらず、その構成は極めていびつだ。
特徴的なのは、対潜水艦部隊と防空部隊に現われる。これらの部隊の目的は、在日アメリカ軍の護衛にある。世界最大、最強の艦隊であるアメリカ第七艦隊にとって最大の脅威である敵潜水艦を発見し、撃退する能力は世界最高水準にあるのが、日本の海軍だ。
またアメリカ本土以外で、最大の武器弾薬燃料保管庫である在日米軍基地を守るため、これまた世界最高級の装備を備えているのが日本の空軍だ。
要するに、アメリカ軍護衛部隊であり、アメリカ軍補給基地防衛部隊でもある。自衛隊なんて呼称は相応しくないと私は思う。せいぜい、間接自衛隊だわな。むしろアメリカ軍護衛隊でもいいくらいだ。
だから当然に単独で外国へ侵略する能力は、ほとんどない。そのことは、日本軍の構成を分析すれば分る。当然である。半世紀前、国力の大半を用いてアメリカ様に逆らった国に、再びアメリカを襲いかねない軍隊など許せるわけがない。
このことは、ドイツも同様だ。かつて強大な空軍、海軍をもったドイツ帝国は、いまや陸軍に極端に偏った軍隊しか持たせてもらえない。
現代の覇権国家であるアメリカにとって、日本列島は重要な戦略拠点だ。ユーラシア大陸の東への入り口であり、太平洋防衛の要として、日本列島以上に優れた拠点は存在しない。
アメリカの軍政略の要である巨大空母だが、アメリカ本土以外で母港を置くのは日本だけだ。単に良港を備えているだけでは駄目だ。艦船の整備が十分にできなければならない。
空母を建造した国はいくつもあるが、現代のジェット戦闘機を離発着できる空母を実用化したのはアメリカだけだ。その原因の一つにカタパルトにある。蒸気の力を使って十トン以上ある戦闘機を弾き飛ばす装置だが、この実用化がきわめて難しい。イギリスは諦めて垂直離発着機シーハリアーを開発した。ロシアは開発できたものの、実戦で使いうるほどの信頼性をもたせることに失敗した。フランスでさえ実戦に耐えうるほどのカタパルトには自信がない。
このカタパルトを整備できるのは、アメリカ本土の海軍工廠以外では日本だけだ。しかも、その整備技術は極めて高く、老朽艦である空母ミッドウェイが長く活躍できたのも、日本を母港としていたからであることは、アメリカ海軍関係者の間では有名な話だ。
たんに地理上の拠点としてならば、他にも有意義な場所はあるが、高度な工業力を備えた補給基地を提供できるのは、日本列島だけなのだ。
だからアメリカは日本列島を手放すことをしない。アメリカが現在の政治的地位を維持したいのなら、日本列島に拠点を設けることは絶対要件と化している。
従って、日本が独自の国防策、軍事的自立などを果たすことは絶対に認めない。必要とあらば内乱、クーデターを起してでも、アメリカの権益を守るはずだ。万が一にでも、日本がアメリカに敵対することになったならば、三度目の核攻撃があってもおかしくない。敵よりも裏切り者への攻撃が苛烈になるのは、古今東西変ることのない真実だ。
哀れなる敗戦国の住民としては、この屈辱的な状況から、いかに有利な局面を見出すかが、戦後の日本の活路であった。それが日米安保であり、経済立国であった。この状況は、敗戦後半世紀たった今も変わることはない。
いくら戦後、アメリカの保護下で繁栄できたとはいえ、アメリカの傲慢さに反感を抱くのは仕方ないと私も思う。しかし、現実に出来ることは限られる。お気楽に反米発言を弄するよりも、より過酷で惨めな敗戦国としての日本の現実を認識することが必要だと思うのです。軍事音痴なマスコミが報じないこの実情を知るに、表題の本はその一助になると思うので、機会がありましたらどうぞ。