焼肉が人間を進化させた?
肉という食糧は、栄養価が高い。しかし、肉を得るためには獲物を唐ウねばならない。また肉は頑丈で、獲物から切り取ることさえ容易ではない。そのため多くの肉食哺乳類は、獲物を倒す長く鋭い犬歯と、肉を切り裂く頑丈で鋭角な奥歯を有している。
しかし、人類は雑食性であるがゆえに、その歯は肉食には十分ではない。そこで、鋭い石器という道具を用いて獲物を唐オ、石器をもってその肉を切り裂いた。
栄養価の高い肉は、消化するのに時間がかかる。サバンナのライオンをはじめ多くの肉食生物は、獲物を食べると睡眠に長い時間を費やす。これは身体を休めると同時に、肉を時間をかけて消化していることを意味する。
これは人類も同じで、生肉は多くの場合胃にもたれる。魚肉ならまだしも、哺乳類の肉の消化には時間がかかる、かかりすぎる。それゆえ、多くの類人猿は肉を滅多に食べない。現存する種のなかでは、肉食はチンパンジーにみられるぐらいで、ゴリラやオラーウータンはまず肉は食べない。
類人猿より噛む力が弱い人類は、本来肉食は不向きだ。しかし石器同様、道具を用いることで肉食を容易になさしめた。それが火の使用だった。肉に火を通して柔らかくすることで、消化の時間を大幅に短縮できた。また保存食にも火(燻製)は利用できた。
この火という手段を使うことにより、原人類は大幅に食糧事情を改善したらしい。原人からの進化の過程において、この火と石器の活用が大きな役割を果たしていたとの推論は、かなり説得力をもつと思う。
真面目な学者さんたちは言及していないが、私は肉の味に魅入られた原人たちが、武器(石器)の発達に情熱を傾けた可能性もあると想像している。焼肉の味には、それだけの魅力はあると思うからだ。その結果として、現世人類の祖であるクロマニヨン人たちを生存競争に勝ち残らせたといったら言いすぎだろうか。
近代から現代に至るまでの、人類の食生活の変化の一つに、肉料理の割合が多くなっていることは、決して偶然とは思えない。とりわけ牧畜業を高度に産業化させたのは、欧米文化だと思う。その頂点たるアメリカは、人類史上もっとも牛を大量に消費する食文化を育んだ。
ほとんど肉料理を食べなかった日本も、近代化の流れのなかで肉料理を多用しだした。欧米のグルメからも賞賛される松坂牛など日本独自のやり方で畜産をやるほどに、肉食文化に取り込まれた。で、人類の進歩って、肉食なのか?
かくいう私とて、貧しかった子供の頃に比べると、肉を食べる回数は飛躍的に伸びている。美味しい肉料理、とりわけ焼肉の魅力を否定する気にはなれない。
表題の漫画は、お笑い倹l「ダチョウ倶楽部」の一人、寺門ジモン氏の焼肉へのこだわりぶりを描いている。名前だけは私でも知っている「スタミナ苑」で、その知識をくどいほどに披露して編集者と漫画家を閉口させるが、その焼肉の旨さは本物であるらしい。
食い物にあまりにこだわることは、いささかみっともないことだとの意識がある私だが、それでもこの漫画を読むと、ついつい焼肉屋に行きたくなる。こだわりも度を過ぎると見苦しいものだが、その一端を味わいたいとの欲望が頭をもたげるのを抑えきれない。困った漫画だ。
焼肉編の他、オオクワガタ採り編もあり、その偏屈ぶりは笑えます。しかしまあ、なんで寺門氏はお笑い芸人やっているんだ?不思議な人だね。
肉という食糧は、栄養価が高い。しかし、肉を得るためには獲物を唐ウねばならない。また肉は頑丈で、獲物から切り取ることさえ容易ではない。そのため多くの肉食哺乳類は、獲物を倒す長く鋭い犬歯と、肉を切り裂く頑丈で鋭角な奥歯を有している。
しかし、人類は雑食性であるがゆえに、その歯は肉食には十分ではない。そこで、鋭い石器という道具を用いて獲物を唐オ、石器をもってその肉を切り裂いた。
栄養価の高い肉は、消化するのに時間がかかる。サバンナのライオンをはじめ多くの肉食生物は、獲物を食べると睡眠に長い時間を費やす。これは身体を休めると同時に、肉を時間をかけて消化していることを意味する。
これは人類も同じで、生肉は多くの場合胃にもたれる。魚肉ならまだしも、哺乳類の肉の消化には時間がかかる、かかりすぎる。それゆえ、多くの類人猿は肉を滅多に食べない。現存する種のなかでは、肉食はチンパンジーにみられるぐらいで、ゴリラやオラーウータンはまず肉は食べない。
類人猿より噛む力が弱い人類は、本来肉食は不向きだ。しかし石器同様、道具を用いることで肉食を容易になさしめた。それが火の使用だった。肉に火を通して柔らかくすることで、消化の時間を大幅に短縮できた。また保存食にも火(燻製)は利用できた。
この火という手段を使うことにより、原人類は大幅に食糧事情を改善したらしい。原人からの進化の過程において、この火と石器の活用が大きな役割を果たしていたとの推論は、かなり説得力をもつと思う。
真面目な学者さんたちは言及していないが、私は肉の味に魅入られた原人たちが、武器(石器)の発達に情熱を傾けた可能性もあると想像している。焼肉の味には、それだけの魅力はあると思うからだ。その結果として、現世人類の祖であるクロマニヨン人たちを生存競争に勝ち残らせたといったら言いすぎだろうか。
近代から現代に至るまでの、人類の食生活の変化の一つに、肉料理の割合が多くなっていることは、決して偶然とは思えない。とりわけ牧畜業を高度に産業化させたのは、欧米文化だと思う。その頂点たるアメリカは、人類史上もっとも牛を大量に消費する食文化を育んだ。
ほとんど肉料理を食べなかった日本も、近代化の流れのなかで肉料理を多用しだした。欧米のグルメからも賞賛される松坂牛など日本独自のやり方で畜産をやるほどに、肉食文化に取り込まれた。で、人類の進歩って、肉食なのか?
かくいう私とて、貧しかった子供の頃に比べると、肉を食べる回数は飛躍的に伸びている。美味しい肉料理、とりわけ焼肉の魅力を否定する気にはなれない。
表題の漫画は、お笑い倹l「ダチョウ倶楽部」の一人、寺門ジモン氏の焼肉へのこだわりぶりを描いている。名前だけは私でも知っている「スタミナ苑」で、その知識をくどいほどに披露して編集者と漫画家を閉口させるが、その焼肉の旨さは本物であるらしい。
食い物にあまりにこだわることは、いささかみっともないことだとの意識がある私だが、それでもこの漫画を読むと、ついつい焼肉屋に行きたくなる。こだわりも度を過ぎると見苦しいものだが、その一端を味わいたいとの欲望が頭をもたげるのを抑えきれない。困った漫画だ。
焼肉編の他、オオクワガタ採り編もあり、その偏屈ぶりは笑えます。しかしまあ、なんで寺門氏はお笑い芸人やっているんだ?不思議な人だね。