ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

地球温暖化論のウソとワナ 伊藤公紀/渡辺正

2009-12-03 12:18:00 | 
完全な嘘でないからこそ厭らしい。

1 地球の平均気温は上昇している。

2 地球の二酸化炭素濃度は上昇している。

この二つは事実である。事実ではあるが、だからといって人類の産業活動により生じた二酸化炭素濃度の上昇が、地球の温暖化の原因であることが真実とは立証されていない。

この温暖化議論は、国連の記者会見の場で発表されたことから始まっている。学術論文でもなければ、学会の論議から生まれたものでもない。国連という極めて政治的な思惑が乱れ飛ぶ場で、科学的検証も十分になされぬままに発表された。

結果として、多額の金が世界中を駆け巡る羽目に陥った。金だけではない。石油という化石燃料を燃やしてCO2の発生を減らすと称してバイオ燃料の開発に多額の金が投資された。

そのために、ブラジルやインドネシアで貴重な熱帯雨林が伐採されてトウモロコシの栽培されて、バイオ燃料が精製されたが、本来の目的(CO2の削減)とは程遠いのは間違いない。

環境対策を名目に様々な研究所、企業、大学に予算がばら撒かれ、温暖化対策を謳ったエコ商品が消費を促す。あげくに排出量取引という名のペテンまでもが横行する。

地球温暖化防止という十字軍的聖典に陶酔している人たちには、とんでもない暴言だと思えるだろう。しかし、科学的根拠が希薄で、意図的な誇張と反証の無視による虚構の理論を信じ込む愚かさこそ問題だと思う。

人は善意に酔いしれた時にこそ暴走するものだ。だからこそ冷静な議論が必要になる。そのためには第三者からも検証可能な科学的データーをベースに論証を重ねる必要がある。

表題の本は現役の気象科学者らが危機感に懸かられて書いた地球温暖化論議の検証本です。事の発端となったIPCCにも参加している学者だけに、その指摘は鋭く重い。

氷が消えた北極で飢える白熊の映像に心動かされ、私も地球温暖化防止に一役買わねばとエコに走った人には、頭から冷水をかけられるが如く厳しい現実。この厳然たる科学的データーを素直に受け止めることが出来るだろうか。

私見だが、この地球温暖化騒動は、20世紀のオイル・ショックの引き金となったローマ・クラブのレポートに匹敵する一大ペテンだと思う。

おそらくは、その背後にあるのは枯渇する石油だと私は思う。そして、地球温暖化防止騒動は産業界、学会、政府系機関に多額の金を流し込むことも無縁ではないと思うね。

私は限り或る資源である石油を技術的に節約する努力は必要だと思う。でも、科学的に実証されていない地球温暖化とCO2増加をリンクさせて、ヒステリックに騒ぎ立てることには好感を持ちえません。
コメント (4)
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