ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

四ヶ月目の鳩山内閣

2009-12-25 04:59:00 | 社会・政治・一般
日本人は忘れっぽい。

「やるっきゃない!」と勇ましく叫んだ土井・元社会党党首の下で消費税廃止の公約は見事に朽ち果てた。これを土井・元議員一人の責任だとは、さすがの私も言わない。

これまで国政に関する責任感なしに、言いたいことを言いたいだけ言っていた野党時代とは異なり、立法府の責任ある立場で行政を司る立場になれば、これまで分らなかったことも分らざる得ない。

「台所を預かる主婦の立場で国政に意見を」と意気込んで国会に乗り込んだ新人議員さんたちは、官僚の手助けがなければ何も出来ない無力感に際悩まされた。あげくに官僚が作成した官僚のための国策を忠実に実行する役割に安住した。

村山という看板を掲げて与党に戻った自民党の議員たちは、失いかけた利権の確保に必死で、国政の大筋は官僚に丸投げして誤魔化した。

せっかくの与党議員の立場を活かさんと意気込んだ社会党の素人議員たちは、官僚の手管に奔走させられて、却って官僚政治の強化に貢献している始末だった。

おかげで官僚の失政は見事に隠され、先送りされ、誰も責任を取らずに済まされた。もっとも花をもたせる必要もあったのでスケープゴートに「薬害エイズ事件」が大きく宣伝されて、その後の橋本(厚生族のドンだが)内閣の下、菅厚生大臣の名を一躍全国に広めただけだった。もちろん、厚生族のドンが無傷であったのは誰も言わないお約束。

あれから十数年、ようやく自民党は下野し、政権交代はなされたが、再び悪夢が甦るのか。鳩山内閣が発足して四ヶ月あまり。官僚を排した政治を公言しながら、いつのまにやら財務省に摺り寄りはじめた民主党。

よくよく中味をみてみると、どこかで見たなと思うのも当然。村山、橋本内閣当時に盛んに言われていた「構造改革」路線が再び外見を変えて甦っている。要するに財務省主導の財政再建路線だ。

事業仕訳という名の「官僚いじめ」に庶民は喝采を上げるも、その中味に必ずしも賛成ではない。いくらなんでもパフォーマンスに過ぎることは庶民でも分るらしい。

要するに財政赤字削減のための予算削減を、官僚を一方的な悪役に仕立てて成敗するだけのサル芝居。その官僚に「困った時のお役所頼み」を繰り返していたのは誰なのか?

ママのへそくりで政治の世界のトップに立ったはいいが、お坊ちゃまゆえにリーダーシップがない。だから口先だけやかましい薄っぺらな政治家どもの怒声にビビッて、後手後手に回り、あげくに先延ばしで誤魔化す醜態。

敢えて言いますが、民主主義における政治とは、妥協なくして進まない。多数決とは少数意見の圧殺を合法化するものだ。少数意見に振り回される首相ほど惨めなものはない。

現実無視で理想過多の少数意見を封じるには、金で黙らすか、弱みを握って遠ざけるのが一番だが、それを逆にやられているのだから、どうしようもない。

スポンサー役に徹していれば、この人いい人でいられたのにね。そろそろ引き時じゃありませんか?
コメント (6)
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