ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

猫は殺しをかぎつける リリアン・J・ブラウン

2011-05-23 12:06:00 | 
グルメには猫が似合う。

犬好きの私だが、犬って味音痴だと思う。偏食のワンコなら、けっこう居るが、グルメとは程遠いと思う。犬食いに代表されるように、味わうよりも飲み込むほうに力が入るのが犬だと思う。これでは、到底グルメとはいえない。

ところが猫は、いささか趣が異なる。偏食というには、いささか優美すぎる。もちろん、飢えた野良猫にグルメの気品を求めることはしないが、家で飼われた猫ともなると、こりゃグルメだと思わせる風情がある。

大食い、早食いならば犬だろうが、グルメとなると、やはり猫だと思う。

一方、ミステリーの世界だと警官が犬なら、探偵は猫かもしれない。忠実な捜査をやらせれば、犬が向いていると思うが、難問奇問を解きほぐすには猫の機転が役に立つのではないか。

そんな猫の代表例が表題の作品で活躍するシャム猫のココだろう。ココの活躍なくして、事件の解決はないというほどの活躍ぶり。

実のところ、猫が活躍するミステリーは案外多いが、ここまで活躍する例は稀だと思う。当然にシリーズ化しており、日本でも5巻ほど刊行されている。

正直、ミステリーとしての謎解き部分のレベルは、そう高くない。ミステリー好きな読者ならば、話の半ばで犯人がみえてくる。それでも面白いのは、その謎解きに猫が活躍するからだろう。

別に猫が好きでなくても、けっこう楽しめるミステリーだと思うので、機会がありましたら是非どうぞ。
コメント (2)
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