ようやく少し分かった・・・かもしれない。
それにしても驚いた。まさか足し算、引き算、掛け算、割り算といった四則計算で出来るなんて思いもしなかった。
なにがって、デリバティブである。今日、金融の世界には意味不明なおどおどしい言葉が飛び交っている。ヘッジ・ファンド、ポートフォリオ、オプション、スワップそしてデリバティブといった怪しげな言葉が跋扈している。
この金融工学を駆使した研究によりノーベル賞を受賞した方もいるとか。ものすごく頭がいい理系の人たちを集めて、複雑怪奇な数式をコンピューターに組み込んで、日々数十億ドルといった資金を投じて、利益を生み出す摩訶恐ろしい世界。
そんな印象をお持ちの方は多いと思います。かくいう私とて、微積分の公式を駆使したマイロン・ショールズとロバート・マートン、フィッシャー・ブラックらだ世に出したブラック=ショールズ・モデルは、その算式だけで理解不能のお手上げ状態でした。
あげくに、そのショールズとマートンが参加したファンドが破綻したというのですから、私は高度金融工学に基づく金融商品なんざ、魑魅魍魎の世界だと敬して遠ざかっていたのが実情です。
その高度金融商品を、なんと四則計算だけで説明してのけたのが表題の著者。完全に理解できたというには、いささか自信がありませんが、かなり良く分かったことは確かです。
他にも私が抱いていた円高により、日本(政府、民間企業)が保有していたドル建て資産に莫大な損失が生じたという考えが、あまり正しくなく、適切な理解がされていないとの指摘は、まさに青天の霹靂。
久しぶりに勉強になった読書でした。いえ、最近仕事のストレスから小説ばかり読んでいたもので・・・
最後になりますが、表題の作ではありませんが著者を紹介いただいたニシタツさん、ありがとうございます。まだまだ勉強すべきことって沢山あるのですねぇ。