ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ある日の昼食

2012-06-19 14:18:00 | 健康・病気・薬・食事
たまには外すこともある。

実のところ私は、一日中事務所の椅子に座っていることは希だ。週の半分以上は、顧客まわり税務署等役所まわりで外出している。そんな時の悩みの種は、昼食をどこでとるかだ。これにいつも悩まされる。

毎年、数回訪れる場所ならば、食べる店もだいたい決まっている。問題は、たまたま訪れた見知らぬ街での食事の場所だ。これが難しい。私は基本的に自分の目で見て、鼻で嗅いで店を探す。

美味し匂いのお店はいずこに?

たかが匂いと馬鹿にするなかれ。これがけっこう当たる。店の見た目よりも、お皿から香立つ匂いこそ、その店の味の技量が分かろうってもんだ。私は匂いで外したことは、滅多にない。

過去に失敗したのは、線路のガード下の飲食店街で、いろいろな匂いが入り混じって、どの店から匂うのかが分からず、とりあえず人の多そうな店に入ったら味は大外れ。ただし値段は安かったので文句も言いづらい。どうも隣の店からの匂いと間違えたようだ。

今回の失敗は客をみなかったことによる。路地の裏の厨房からの匂いは、この店の料理の美味しさを裏付けていると確信した。実際、まだ昼前だというのに、店内は8割がた埋まっている。きっと美味いに違いない。

そこで入って、定番の昼食メニューを頼む。ここで気が付くべきだった。通常、美味しい店には女性客が多い。言っちゃなんだが、女性は口うるさい。不味い店で食事しようと思う女性は、そう多くない。だが、この店の客は、女性が少ない。いや、いるにはいるが、かなりのご年配に見受けられる。

よくよく客を見回すと、そろいもそろって高齢者ばかり。ありゃりゃと思っていたら、すぐに配膳された。ちなみに頼んだのは嵩リ定食である。一目見て、これは高齢者に合わせたメニューだと気が付いた。

中華なのに、お味噌汁が付くだけでない。付け合せの野菜サラダも、おひたしであり、年配者が喜びそうなものばかり。しかも、ボリュームも高齢者に合わせたもので、私にはいささか物足りない。ご飯お代わり無料なのは嬉しいが、肝心の嵩リが少ない。

腹六分といったところか。なお、店の名誉のために言っておくが、味は悪くなかった。ただ、量が少なめで、野菜も柔らか過ぎに思えた。だが、高齢者には嬉しい内容であることは分かる。だからこそ、客の大半が高齢者であったのだろう。

駅前のカフェで、コーヒーとサンドイッチを頼んで、しばし時間を潰す。あの店、少子高齢化時代を先取りしたかのようなメニューは、それなりに成功していると言ってもいい。味だって、がっかりするようなものではない。

でも、この物足りなさをどうしてくれる。サンドイッチを素早く胃袋に送り込みながら、一人反省会である。やっぱり、もう少しじっくりと観察すべきであった。まだまだ修行が足りないな、私は。
コメント (4)
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