15年に及ぶ長期連載を続けてきた週刊少年ジャンプの人気漫画「NARUTO」が遂に完結した。
久々に、本当に久々に発売日の朝にジャンプを買ってしまった。最終話とその後の二編が掲載されていた。これは保存しておこうと思っている。
大人が楽しめる少年漫画は少なくないが、そのなかでもNARUTOは別格であったと思っている。絵の上手さ、ストーリーの巧みさ、登場人物の魅力などのバランスが極めていい。
絵の上手いだけなら、他にも沢山いる。実際、初期のNARUTOの絵はあまり上手くない。特に女の子を描くのが下手であった。ヒロイン役のサクラなんて、可愛くもないし美しくもない。むしろ単なるオテンバ娘に過ぎなかったのだが、中忍試験あたりから個性が光りだし、それにともない魅力的なヒロインに成長していった。
主人公のナルトにしたところで、最初は単なる悪戯坊主の域を出なかった。それが度重なる試練を乗り越え、努力と苦悩の末に成長し、堂々たるヒーローになった。そして漫画家、岸本斉史の成長の物語でもあった。初期に比べ格段に絵が上手くなっている。
この漫画は、少年たちの成長の物語であった。人は一人では成長できない。仲間の助けと、大人からの信頼と指導、そしてライバルたる敵の存在が、個人の資質を高め、更なる成長の糧となる。失敗と挫折があり、そこから努力を積み重ねてこそ得られるものがある。
この漫画では主役のナルトだけでなく、ライバルのサスケ、ロック・リー、シカマル、我愛羅、サイといった仲間たちの個性と成長が、物語に添えられていた。個性の異なる様々な少年たちの成長は、多くの子供たちから熱い視線を注がれた。だからこそ、大人たちも共感できたのだと思う。
おそらく全72巻で完結になると思う。現在71巻が先週発売されているが、72巻の発売予定は来年2月だそうだ。多分、後日談が加わるのだろうと予測している。
長編漫画なので読み切るのは大変だが、この冬はじっくり読み返そうと考えている。それだけの価値はあると思う。岸本先生、15年間ご苦労様でした。そして、素晴らしい物語をありがとうございます。