ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

刀語 西尾維新

2014-12-01 12:04:00 | 

あれれ、普通になっちゃったぞ。

近年、私が読んできた小説のなかでも、西尾維新の文章ほど奇天烈にして新鮮なものはなかった。過剰に饒舌でありながら、その文体のもたらすリズムは新鮮で鮮烈でさえあった。

なかでも出世作である戯言シリーズは、6話9冊あるが4回も再読している。癖になるというか、はめられた気がして現在は本棚の奥に封印している。他にも「君と僕」シリーズなどもあるが、はまるのが嫌で読まないように意識して避けていた。

しかし、たまたま安値で入手したのが表題の刀語(カタナガタリ)シリーズの一作目であった。これも警戒して未読山脈の奥にしまいこんであったのだが、先日たまたま山脈に手を伸ばしたら、偶然手に取ってしまった。

これもなにかの縁だろうと思って読みだしたのだが、驚いたことに普通の日本語になっていた。いや、ところどころに西尾維新独特の言い回しの片鱗はあるのだが、明らかに普通の文体なのだ。

おかげで読みやすいことは確かだが、ただのエンターテイメント小説になってしまった。これじゃ普通のライトノベルと変わらないと不満を言いつつ、短時間で読み終えてしまった。

物足らない・・・続きが読みたくなった。

これこそ、作者の意図するところであったのか。見事にはめられてしまったのだが、あまり悔しくはない。なにせ後11冊楽しみが残っているのだから。

コメント (2)
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