ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

今年を振り返って

2014-12-30 14:37:00 | 日記

今年も波瀾万丈の一年であった。

1月と2月に大雪が降ったこと、その後も週末や連休に荒天が多く、雨が降れば豪雨であり、超大型台風の襲来に加えて、御嶽山の噴火まである始末である。

景気も曇り気味で、遠くの空に日差しがあるのが見えるが、こっちにはその温もりが届かない。そんな景気に消費税増税が追い打ちをかけるのだから、好景気なわけがない。

財務省に忠実に思えた安倍首相が、反旗を魔オて消費税再増税の延期を宣したので、少しほっとしている。でも、財務省の意趣返しは既に始まっており、介護報酬の減額やら、子供手当の廃止、対象厳格化と弱いものに鞭打つ予算を出してくるつもりである。

私のみたところ、お役所と大企業以外は、実質賃金は目減りしている。これで景気が良くなったら不思議である。頼みの綱は外国人観光客が落とすお金だというのだから、情けないにもほどがある。

私自身は、病院に行くたびにカルテに新しい病名が記入される始末であり、体力の減少以上に気力が萎えそうな惨状である。如何に私が楽天家だといっても、限度があるぞと叫びたくなる。

そんな惨めな状況ではあるが、おかげさまでこのブログも9年目と相成った。取り上げた書物も1000冊を超え、遅々たる歩みではあるが、積み重ねた実績を懐かしみつつも嬉しく思っている。

ところで毎年恒例だが、今年読んだ本の中で、初読で一番印象に残ったのは「田中清玄自伝」でした。昭和史のなかで、最も不可解で謎多き人物でしたが、この自伝を読んでみて、ようやく人となりと何故に謎の人であったのかが判明したのです。率直に言って、歴史教科書に名を連ねる人ではない。しかし、小佐野賢治や笹川良一のように、昭和史の裏面を支えた人物であるのは確かでした。それだけに謎が多い。

その名を耳にしてから40年越しの宿題であったので、とりあえず一安心した次第。でも、さすがに自伝だけに政商としての裏の面には、十分触れているとは言い難い。そうでなければ、あれほどの富を築くことは出来なかったはず。もう少し踏み込んだ書を探すことを今後の課題としたいです。

一方、再読ではこのブログ1千冊目に取り上げた「動物農場」ジョージ・オーウェルでした。やはり名著だと思います。私は社会主義に傾唐キる人たちの善意と良心は認めています。しかし、社会主義の善意は暴走しがちであり、それはこの日本においても変わりないことを知らない若い人が増えている。

昨今、日本共産党が若い人から支持されています。私としては過去を知らずに無邪気に日本共産党を支持していることに危惧を覚えずにはいられません。野党がだらしないからこその自民党の長期政権が可能であったのは確かです。

だからこそ、自民党政権を良しとしない人たちが日本共産党に惹かれるのは分かるのですが、この政党というか、自らの善意を信じて疑わない人たちの裏の側面を知るには、この本は必読の書だと思います。

では漫画ですが、これは何より「NARUTO」が完結したことでしょう。何時完結するのか先が見えない「ONE PIECE」や連載が続かない「HUNTER×HUNTER」に比して見事に物語に終わりを付けたことに敬意を表したいです。

一方、新作ではこれといった傑作がなかったのが不満でした。そんな中でも期待が持てそうなのは週刊少年マガジンで連載中の「七つの大罪」でしょうか。少年漫画の王道的なパターンで、意外性はないのですが、堂々たる進展には満足しています。次点として週刊少年チャンピオンに連載されている「ハリガネサービス」を挙げておきます。これと「弱虫ペダル」はいずれ取り上げるつもりです。

なお、敢えて取り上げなかったのが、福島原発の風評被害で騒ぎになった「美味しんぼ」でした。私は放射能の被害は実際にあると考えていますし、それを隠ぺいするようなことも、また過剰に取り上げることにも同意できません。

だから、原作者の強い思い込みと、科学的論理的そして統計的な根拠が十分とはいえないエキセントリックな騒ぎとなってしまった今回の事件を非常に残念に思います。漫画というのは、過剰に表現することが容易なので、怖いメディアであることが良く分かった事件でもあります。

最後に映画ですが、今年は「アナと雪の女王」の大ヒットがあったほかは、それほど印象に残った映画とは巡り会えませんでした。でも、意外というか望外に驚いたのが「ルパン3世」です。

漫画やアニメの印象があまりに強く、実写化は無理というか、絶対似合わないと思い込んでいたのですが、主役の小栗旬の意気込みがスクリーンから伝わってくるかのような熱演に感心したものです。

もう一つ上げるとしたらドラえもん初の3Dアニメ「スタンド・バイ・ミー」ですね。正直幕の内弁当的なシナリオですが、ツボを押さえた作りで、懐かしい気持ちになる佳作だと思います。だからこそ異例の長期上映だったのでしょうね。

さて、この記事で今年は御終いです。来年もまたよろしくお願い申し上げます。それでは、良いお年をどうぞ

コメント (10)
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