漫画の実写化は、小説の実写化よりも難しい。
小説なら挿絵や表紙画ぐらいが映像のイメージであり、文章から想像できるイメージが中心となる。だから実写化されると、その映像が自分のイメージと異なるほうが普通となる。
しかし、漫画は違う。最初からイメージが画像として描かれているため、実写化されると原作とのイメージの違いが顕著になり、その差異は漫画の愛読者なら共通の違和感となる。
だから漫画の実写化では、漫画の画像と、スクリーンで映される画像との差異を如何に埋めるか、もしくはまったく異なる映像を打ち出すしかない。原作への思い入れが深いほど、その実写化には異論が付きまとう。
表題の作品なんぞ、映画での実写化が公表された時から、当然のように「実写化は無理だ」との批判的論調が出ていた始末である。実のところ、私も疑問視していた。
ところが週末、実際に映画館で観てみたら、十分に楽しめる内容になっていた。原作から、相当な部分を除いたのは致し方ないが、それでも一つの作品として完成していたのには驚いた。
またミギーのCGグラフィックの出来も良く、淡々とした語り口に感心した。熱烈なファンが多いことで知られる漫画の原作ファンだって、かなりの程度納得の出来ではないだろうか。
今回は前半で、来春に後半が公開されるようなので、前後半一体で評価すべきであろうが、私は気に入りました。多分、というか間違いなく映画の製作者も、この漫画の愛読者であったと思います。
その想いが映画作りに反映しているように感じました。後半が待ち遠しいですね。