ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

弱虫ペダル 渡辺航

2015-02-09 12:03:00 | 

男の子って奴は、誰でも一度は自転車にはまる。

とにかく、朝から夜まで自転車を漕ぎまくる。ただ、ひたすらに自転車で走る。なぜなら男の子だからだ。理由?そんなのいくらでもある。ペダルを漕ぐだけで、自分の脚では出せないスピードが出る。

まるで自転車が自分の脚になったような錯覚を感じながら、遠くまで、遠くまで、どこまで行ける気がする。自分が強くなったような気がしたものだ。自転車って素晴らしい。

現実問題、自転車に乗りまくる男の子ならいくらでもいたが、なぜか女の子は見かけたことがない。本当にない。なんとなくだが、女の子にとって自転車とは、目的地まで速くいけるだけの手段にしか過ぎない気がする。

むしろ自転車に乗ると、髪型が乱れるとか、服装に気を遣うとか、余計なことばかり気にしていたようだ。お年頃の女の子には、自転車はお洒落なものではなかったように思う。

でも、そんなことはどうでもいい。とにかく自転車だ。自転車がいいんだ。ペダルを漕いで、ひたすらに道を駆ける喜びは、何物にも代えがたい。私は典型的な自転車小僧だった。

高校まで片道6キロで往復12キロは足慣らしに過ぎない。週三日は原宿の塾に通っていたのであるが、これも当然に自転車で片道8キロ、往復で16キロである。もちろん寄り道もするから、日によっては一日30キロ以上は自転車を漕いでいたわけだ。

予備校から大学に通うまでの一時期、パチンコの稼ぎで買ったスクーターに乗っていたこともあるが、どうも私はマッポとは相性が悪く、道路交通法は天敵に近い存在である。そんな訳で、再び自転車に乗り換えた。

大学3年からは、父に車を与えられたが、それでも普段はひたすらに自転車漕いでいた。おかげで、十代の頃は乗り潰した自転車は片手では収まらない。あまりに乗り過ぎたので、フレームが歪むらしく、真っ直ぐ走らなくなったら、それが買い替え時であった。

でも、当時から気が付いていた。私よりも自転車にはまっている連中が沢山いることに。真面目にロードタイプの自転車に乗る奴から、いわゆるママチャリに乗る奴らまで、自転車小僧は沢山いた。

表題の漫画の主人公もその一人だ。元々坂の多い町に住み、そこから遥かに離れた、おたくの聖地である秋葉原まで自転車で通う、細身で小柄で弱気そうな、どこにでもいる若者だ。

ただ、その異常なまでに鍛えられていた脚力が彼を自転車競技に引き込ませた。現在、週刊少年チャンピオン誌で人気を博し、TVアニメ化までされた傑作である。ちょっと癖のある画風ではあるが、これ意外とはまります。私も毎週立ち読みを欠かせません。機会がありましたら是非どうぞ。

コメント
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