いささか諦め気味である。
週末に行われた統一地方選後半戦が終わった。私が長年住んでいる東京・世田谷区では、あの「いちゃもん質問」で悪名高かった保坂が区長に再選されてしまった。
区内に原発もないにも関わらず、反・原発を連呼して初当選した前回とは異なり、今回は四年間の実績を看板に選挙戦を戦っていた。対する自民、公明の与党陣営は、地元世田谷の商店主を担ぎ上げての戦いであったが、保坂の圧勝に終わった。
無理もないと思う。4年間の区長としての保坂は、反原発政策など区政ではやりようがない。同様に再生エネルギー活用でも区政では、たいしたことはやりようがない。
だが、そんな保坂でも出来ることはあった。それが待機児童問題であった。これならば、保坂の出身母体である社民党のみならず、民主や自民、公明でさえ反対できない。
私としては意外ではあったが、口先ばかりが目立つ保坂は、この問題に限っては地道に行政の長として取り組んでいた。他にすることがなかった、あるいは出来なかったからではあるが、その実績を頭から否定するほど私は頑迷ではない。
実のところ、世田谷区政において、早急に手を打たねばならぬ問題はあまりない。下北沢駅の再開発は、保坂のような口先政治家が介入する隙間はないし、小田急線の高架工事問題は既に司法で解決済みである。外環道路建設は、国政の補完であり、今さら手を出す訳にもいかない。
世田谷の有権者は、昔から地道な問題にしか関心を持たない。日ごろの生活に差し障りがなければ、誰が区長でも問題がないほど安定した地域である。だから、単純に知名度の高い保坂が圧勝してしまった。
対立候補には悪いが、あまりに知名度がなく、実績もない人を担ぎ出した自民が悪い。私は意地でも保坂には投票しなかったが、保坂の勝利は堅かった。そんな訳で、私は少々憂鬱な月曜日を迎える羽目になった。
だが、ものは考えようである。保坂のような反日、自虐の口先煽動政治家が国政にいるより、また在野の政治屋として自由に活動させるよりも、出来ることの少ない地方政治において、地道に働かせるほうが案外日本のためになるかもしれない。
まして待機児童問題は、区政でも十分できる政治課題である。せめて、このくらいの問題は、しっかりとやって欲しいものである。