ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

報道不信

2015-04-06 12:07:00 | 社会・政治・一般

日本の企業は、その業績を示す決算を3月に設定していることが多い。

それゆえ、この時期は様々な話、噂、情報が駆け巡る。私は守秘義務ゆえに、仕事上知り得たことは基本的に、ここには書けない。だから、あくまで新聞や雑誌など誰にでも目にできる情報に、私がプライベートで実際に見聞したことを元に書かざるを得ない。

別にそのことに不満がある訳ではないが、私は少々怒り気味である。

新聞やTVといった大メディアの報道って、あまりに大企業に偏り過ぎていないか?また大企業のイメージを損なうような報道を、意図的に避けていないか?

もちろん、大企業は知名度も高く、それが視聴者や読者の関心を引く記事の題材として最適であるのは私だって理解している。また多忙を極める記者様たちにとって、広報担当者がいて報道用の資料まで提供してくれる大企業が取材しやすいことだって分かる。

だが、忘れてはいけないのは、日本の企業の7割は中小企業である現実である。いくら大企業や公務員の給与が上がっても、中小企業にお金が回らなければ、日本は決して景気回復したとは言えない。

しかし、大企業中心に経済をみてしまう日本の官庁とマスコミは、一部のうわっつらだけの景気指標をもって景気回復だと報道する。地道な取材をせず、大企業中心の景気指標をもって判断するから、その報道に多数の国民は実感がわかない。

一例を挙げればコンビニ業界がある。低迷する日本経済にあって数少ない成長分野であるコンビニ業界は、今や小売業としては百貨店やスーパーを凌駕する総売り上げを誇る。そう報道するマスコミは多いし、まったくの嘘ではない。

しかし、私の知る限りで近年コンビニ経営者で豊かな財産を築いた人は、極めて稀であるのが実態だ。コンビニ業界で一番の稼ぎ頭は、フランチャイズ本部である。彼らは新規の店舗を出店するたびに膨大な利益を上げる。反面、昔から営業しているコンビニ店舗は、よほどの好立地で売り上げに恵まれているところを別にするば、閉店が相次いでる。

それでもフランチャイズ本部は構わない。むしろ新規店舗の出店のチャンスと捉えている。これでは昔からやっているコンビニ店舗の経営者はたまったものではない。たまに新聞沙汰になるが、コンビニ店舗がフランチャイズ本部を訴えることは、少なくなのが実情だ。

これを一概に非難できないのは、日本人が新しもの好きであるからだ。たとえ清掃の行き届いた店であっても、同じコンビニならば新しい店舗に足を運んでしまうことが多いのが日本人だ。

小売業界では勝ち組であったはずのイオンやイトーヨーカ堂でも事情は同じで、新規出店したモールなどの売り上げは好調だが、20年前の店舗は確実に客足が落ちている。特に80年代に建てられた店舗を数多く持つイオン傘下のダイエーは、いくら魅力的な商品を並べても、老朽化した建物というマイナス要因が足を引っ張っている。

現場、特に地方を回って地道に取材していれば、それらは明白な事実なのだが、それを報じるマスコミは少ない。マイナス情報を殊更報道するよりも、広告主である大企業に受けのいい報道に走りがちな事情も分からないではない。

だが、本当にそれでいいのか。マスコミが報じる一部だけの好景気感は、次第に読者、視聴者の不信感を招いていることをもう少し恐れるべきだと思いますね。

コメント
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