コンピューター・グラフィックスの申し子的映画だと思う。
私は博物館が大好き。恐竜の骨や、古代の史跡から持ち込まれた遺跡を眺めながら、想像の赴くままに過去に思いを馳せる楽しみは、子供の頃から今に至るまで、私の楽しみの一つである。
ただ、表題の映画は一作目で、ちょっと失望したため2作目は見ていない。なのに三作目を見たのは、舞台が大英博物館であったからだ。イギリスには3度ほど訪れているが、実は未だにロンドン市内から出たことがない。
ヒースロー空港からロンドンに着くと、まずは何をさておいても大英博物館である。次がナショナル・ギャラリーであり、テート・ギャラリーである。この二か所の美術館は、なんといっても大好きなターナーの絵の展示が充実している。
再び大英博物館に行き、次は自然史博物館である。暇があったらシャーロック・ホームズの記念館にも行きたいのだが、未だに行ったことがない。理由は簡単で、大英博物館に時間をかけすぎるからだ。
でも後悔なんてしていない。だって、見るところ多すぎるし、まだまだ見たい展示物沢山ある。あり過ぎるのが最大の悩みの種だ。もっとも、ここ数年はロンドンどころか、日本国外にはまったく行けていない。これは不景気が悪いだけだ。
でも、多少ゆとりができたら是非とも大英博物館には行きたいものだ。
その大英博物館が舞台となっているが故に、久々にこの映画を観た次第である。CGを駆使した驚異の映像表現は楽しい。トリケラトプスのダンスとか、ポンペイの展示物を襲う○○○(内緒だよ)とか、楽しい映画である。
ただ、一作目から気になるというか、不快なのが白人のアジア文明に対する偏見というか優越感である。これが気に食わないので、二作目はみていない。はっきり言うが、白人の文明が世界の主流となったのは、19世紀以降であり、たかだか200年足らずである。
地中海のローマ帝国はともかくも、人類の歴史の中心は数千年にわたりアジア、とりわけオリエントにあった。この大事な点を、必要以上に軽視しているように思えてならない。
とはいえ、私のように白人文明に偏見をもっている変人でない普通の人ならば、この映画は十分楽しめると思う。劇場の大画面のほうが迫力があってイイと思うけど、家庭でDVDでも十分楽しめますよ。