横綱の地位は、いつからこれほど軽くなったのか。
春場所において、稀勢の里が優勝し、二十年ぶりの日本人横綱が誕生した。号外が出るほどの吉報であり、盛んにマスコミでも報じられていた。
私は稀勢の里を強い力士だと認めているが、横綱と云われると、どうしても首を傾げてします。いいのか、本当に?
近年の横綱で、その名に値するのは、貴ノ花、朝青龍、白鵬の三人だけだと私は考えています。他の横綱は、大関ならば名大関なのですが、横綱としては物足りない。
よく頑張りましたねとのご褒美としての横綱に過ぎないとさえ思っています。
稀勢の里は、その頑丈な体躯、驚異の腕力、粘り強い足腰と素材としては良いものをもっています。しかし、その繊細なハートが勝負弱さにつながり、好成績を残せずにいたのです。
今回の優勝は、最も苦手にしていた白鵬の衰え抜きではありえない。偶然でしょうが、他のモンゴル人力士も不調であり、おまけに日本人のライバルである豪栄道や琴奨菊がド不調であったことから、恵まれた優勝だとさえ思っています。
おそらく、稀勢の里は短命横綱で終わるだろうと思います。それでも一代限りの年寄株を貰えるのですから、それで良し・・・なのでしょう。
でも、長い目で見たら、相撲人気に水を差すことにならないか、私は心配ですね。