ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

その女アレックス ピエール・ルメートル

2017-02-10 12:00:00 | 

あれま、乗り過ごしたぞ。

まァ、いいや。終点まで行って、折り返して戻ればいいさね。そう呟くと、私は再び、頁に視線を戻して読書に埋没した。この山場を読むことを、途中で中断してなるものか。

そんな訳で、帰宅が20分ほど遅れたが、後悔はない。後悔するとしたら、最後の山場を読まずに下車して、自宅まで我慢することだろう。

ここまで私を熱中させた本は、そうそうないと断言できる。おまけに、読み終わって3日もたっていないのに再読している始末である。

再読してみると、正直アラが見えないでもない。特に最後の科白は、いささか違和感を持った。でも、いいさね。少なくても嫌いな科白ではない。この世は割り切れず、合理的でもなく、正しいとも云いかねる。

それでも、少しでいいから正義を求めたい。謎の女アレックスが求めた正義、追いかける警部が求めた正義。そして、この本の読者が求めた正義。多分、どれも少しづつ違っているのだろう。

読むべき価値のあるミステリーであることは間違いないでしょう。私は十二分に楽しみました。多少の欠点には目をつぶっても楽しめると思いますよ。

コメント (2)
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