ヌマンタの書斎

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猫殺し

2019-06-19 12:44:00 | 社会・政治・一般

イジメは伝染する。

もちろんイジメ菌なる病原体がいる訳ではない。だが、一人が誰かをイジメると、周囲がそれに同調することは珍しくない。その場合、個人差はあるが、イジメられる人にも、その起因となるような原因があることが多い。

服装が汚いとか、臭いがするといったものから、特殊な趣味とか、個性的すぎる性格が原因であることもある。これを書くと反発する方もいるだろうが、苛められやすい人って確かにいる。

つまり、苛められる側にも原因はある。だからといってイジメを正当化する気はない。私は基本、戦うなら対マンと決めつけていたので、集団でのイジメには嫌悪感が強い。

それは卑怯だし、苛められる側に原因があっても、それは単独でやるべきだと思っている。

私は子供の頃、何度か転校を繰り返しているので、いわゆる転校生イジメの対象となったことがある。これは新参者が受けるある種の試練だと思っていたので、仕方なく受け入れた。

これは私自身が、転校生を苛めた側であったこともあり、致し方ないと思っていたからである。

ところで冒頭に書いた「イジメは伝染する」とは、もう一つ意味がある。それは苛められた側が、同じようなイジメを他者にやることを意味している。やられたことを、やった当人ではなく、他の弱いものにやることは決して珍しくないと思う。ちなみに、苛めた奴にやり返すぐらいの気概がある奴は、あまりイジメられることはない。

先週のことだが、富山で飼い猫を盗んで虐待して殺した犯人が捕まった。人に馴れた飼い猫のほうが捕まえやすく、そのための罠まで購入している確信犯である。しかも、判明しているだけで50匹の猫を殺している。

私はこのニュースを病院の待合室で視た。猫保護のNPOの団体の方が、この新村容疑者に対して、何故猫を虐待したのかと尋ねると、その答えに唖然とした。

曰く「寂しかったから」。

寂しいから猫を飼うなら分かる。だが、他人の家族でもある飼い猫をさらって、檻に入れて虐待し、最後は殺してしまう神経が分からない。

外見で判断するのもどうかと思ったが、TV画面に映っている新村容疑者は52歳とは思えないほど老けている。同時に私は直観した。この人、若い頃、相当ないじめに遇っているだろうと。

一人で寂しかったなどと言っているところからして、他人とのコミュニケーションが苦手なのだろう。同時に孤独に耐えうるだけの精神的な強さもない。

偏見かもしれないが、子供の時期にイジメに遇い、それに上手く対処できなかった子供は、イジメという形でのコミュニケーションが一番強く心に刻まれてしまう。

苛められた子供時代を持つ人は、えてして苛める側に回ることは良くある。この新村容疑者は、他人を苛めることは出来ず、弱者である猫を苛める形で、社会と上手く関われないストレスを解消していたのではないかと思う。

なんともやり切れない陰惨な事件だと思う。

コメント (5)
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