割と動物好きだとは思うが、何故だか私の人生には猫がほとんど出てこない。
犬飼いであったので、ネコとは縁遠かっただけで、冷静に考えると別にネコ嫌いという訳ではない。思い返すと案外とネコには好かれることが、ままあったように記憶しているぐらいだ。
私が犬好きなのは、彼らが一緒に遊んでくれるからだ。走り回り、転げまわり、楽しげに駆け回る犬たちと一緒に過ごした時間は、私にとって貴重なものであった。犬たちの疑心なき黒目で見つめられると、私も彼らの忠義に応じなければいけないと思っていた。
子供の頃の、犬が傍らに居てくれた時間は、私の幼少期の宝物であったと思う。
一方、ネコなのだが、正直言って子供の相棒としてはいささか物足りない。まず気まぐれなので、遊びたい時に必ずしも遊んでくれない。あくまでネコ自身の気持ち次第なのである。間違っても、一緒に散歩なんかしてくれない。だから物足りないと思っていた。
ところが大人になり、自分自身が走り回るようなことをしなくなると少し不安になる。私は犬の相棒たり得るのだろうか、と。さすがに、もう犬と一緒に駆け回ることは出来ない。
そこでネコである。一緒に駆け回る必要はないし、穴掘りようの庭も必要ない。年取ってから飼うならネコかも・・・と最近少し考えている。
でも当分、動物を飼うことはないと思う。まずは自分の部屋の不用品の片づけが最優先だ。この問題を片付けないと、とてもじゃないが犬や猫を飼うことは出来ない。
キャットタワーならぬ未読の本の山にネコが登り出したら、家じゅう本だらけになっちまうのが目に見えている。以前、だいぶ不要な本を片したつもりなのだが、気が付いたら又増えている・・・・馬鹿かあたしゃ。
ちなみに増えた本の山から見つけ出してきたのが表題の作品である。猫を扱ったSFやファンタジーなどを集めた短編集である。なかなか興味深いネコたちの数々。飼ってみてもいいかもと少し思っています。
しかし、この本、何時買ったのだろう? それが思い出せないのが困りものだなァ。