些細な不満の積み重ねが、大きくなることこそ怖れるべきだ。
私は基本、外国人労働者の受け入れに賛意を示している。そりゃ、日本人だけのほうが気が楽なのは確かだ。しかし、肝心の日本人が少子化で減っている以上、不足を補うための外国人受け入れは必然だと考える。
だが、そんな私でも身近なトラブルが重なると、我ながら理不尽な苛立ちに困惑する。
私の事務所の入っているビルは、いわゆる雑居ビルであり、各フロアーに4~6件くらいの事務所、会社、店舗などが入っている。当然に来訪者も多く、不特定多数の人間が出入りする。
ここ数年は外国人の入居者もあり、貿易会社や人材派遣など多様な仕事をやっているらしい。近くの外国語教室というか、外国語会話サロンの講師の方とは、挨拶や雑談を交したりする。アジア系の方もいれば、中東系の方も散見する。
特にトラブルもないのだが、一つだけ気になることがある。
それがトイレである。ウォッシュレット機能のある便座が常備されているので、外国の方にも評判が良い。特にこの冬の時期だと、便座が暖かいのが嬉しい。
しかし、時折便座が冷たい時もある。もうお気づきの方もいるだろうが、要は便器の蓋を開けっ放しだと、便座は暖かくならない。ところが、便器の蓋を開きっ放しにする奴が複数人いると思われる。
これが非常に腹立たしい。トイレには噴霧式の便座クリーナーがあり、それを使って便座を拭いてから使用する。便座が暖かい状態ならば、すぐに乾いて気持ち良く使える。しかし、蓋が空いた状態だと、便座が冷たく、クリーナーを拭きとっても、すぐ座る気になれない。
ちなみに、トイレには便座を上げたら、蓋を締めるように注意書きのャXターが貼ってある。それなのに、便座の蓋が上がったままの状態であることが度々ある。きっと日本語が読めない外国人の仕業だァ~!
・・・お気づきの方もいるだろうが、便座の蓋を上げっ放しにするのは外国人とは限らない。むしろ日本人、特に中高年の男性の可能性は高い。大体、このテナントビルには不特定多数の人間が出入りするが、大半はビルの賃貸者である。
ウォッシュレットが導入されて、まだ5年たっていない。以前は和式トイレであったので、昔から入居している人のなかには、洋式になって戸惑っている人もいるらしい。
多分、犯人は日本人男性だと思う。冷静に考えればそうなのだが、にもかかわらず「外国人が犯人だァ」と短絡的に私が考えたのも事実である。外国人労働者の受け入れに好意的な私でさえこれである。
国内に住む人の9割以上が、同じ日本人であるが故に、日本人の異国人への感情はやはり排他的なのだと言わざるを得ない。
ある意味、非常に浮「ことだと思います。
小さなストレスの積み重ねが、ある時突然に暴発して外国人排斥へとつながる。既にその兆候はあるのだと思い知らされましたよ。