ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ゴーン逃亡

2020-01-08 12:00:00 | 社会・政治・一般

日本は良くも悪くも平等社会。

それが気に食わなかったからこそ、カルロス・ゴーンは逃亡したのだと思う。欧米は民主主義を掲げてはいるが、元を質せば階級社会の名残を強く留めている。

特にセレブ階級の犯罪に関しては、彼らを別段の扱いとするケースは多い。もっともアメリカだとマスコミにゴシップネタとして濫用されることが多いことは、日本でもよく知られているところであろう。

一方、ヨーロッパではゴーン氏のようなセレブ階級の犯罪容疑者は、一般の犯罪容疑者とは分けて取り扱われる。特にゴーン氏がエリート教育を受けたフランスでは、ほぼ特権階級として取り扱われる。

ただし、国外逃亡を防ぐ措置は、日本以上に厳格である。今回のゴーン氏の逃亡は、日本の行政府が入国に厳しく、出国には鷹揚な入国管理制度を長年採用していたが故に起きたものだと云える。

しかも今回の逃亡には、グリーンベレー上がりのプロの傭兵などが関わっているという。プライベートジェット機の活用など、従来ではあり得なかった事態に、日本の行政機関が十分な対応が出来なかったのも無理ないと思う。

前例がないと、対応が出来ないのが日本の役所の伝統的欠陥である。まァ、今後は今回の逃亡を契機として、新たな対応を出してくると思います。

高齢化と少子化により人口が減少する日本では、今後もゴーン氏のような外国人の犯罪容疑者は増加する可能性が高いのです。既に経営を外国人に任せている企業も散見されます。

率直に言って、ゴーン氏がやっていたとされる資金流用などは、従来の日本でもかなりの方がやっていたことです。表面化していないだけで、老舗の企業のみならず、公益法人などでもよくあること。

別にゴーン氏を擁護している訳ではありません。従来ですと、そのような私的流用をした経営者は、裁判に至っても和解で済ませることが多かったので、海外に逃亡するなんてことをする人がいなかっただけです。

つまり海外逃亡なんて、行政も司法もまったく考えていなかった。これは明らかに日本政府の失態であり、今頃慌てて対応策を模索していることでしょう。

ついでだから又書きますけど、いい加減有罪前提の長期収監は止めたほうがいい。裁判で有罪が確定して初めて犯罪者です。

でも日本の警察及び検察は、基本的な性質が官僚。自分たちが正しい、自分たちの行為は正しいが大前提なので、逮捕=有罪との考えが頭を離れない。長期間拘束して、無理やり自白に追い込めば良しとしてきた。

日本の司法制度は明らかにおかしい。ゴーン氏の海外逃亡は非難を免れないと思うけど、いい加減代用監獄とも云える裁判での有罪確定前の長期間の収監は止めたほうがイイでしょう。

コメント (2)
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