ドイツ・ブンデスリーガの怪物。それがフランクフルトで活躍している長谷部誠37歳だ。
今期のブンデスリーガの最年長選手でもある。しかもGKを含めての最年長である。それゆえ現地のマスコミは長谷部を怪物と呼んでいる。
ヨーロッパのプロリーグのなかでも、ドイツはタフで知られている。大柄なドイツ人のプレーは、身体の大きさでガンガンくるものが多く、当たりに弱い選手は弾き飛ばされる。
日本はメキシコ五輪のクラマー・コーチの影響もあり、戦後少なからぬ若者が、西ドイツのプロリーグへの参加を目指して渡欧している。奥寺が有名だが、その奥寺だって一部リーグで活躍できたのは30歳くらいまでで、後は二部、三部の下位チームである。
その厳しいドイツのプロリーグで、三〇代後半にも関わらず試合に出られる選手は、ドイツ人でも決して多くない。まして長谷部はディフェンスの要であるセンターを任される中心選手である。
日本人としては比較的長身選手だが、190㎝台が珍しくないドイツで、しかもディフェンスの中心選手として活躍できる長谷部が、現地でも怪物と称されるのも無理なからんところだ。
私は割と古臭い考えの持ち主で、ディフェンスの選手は長身でなくてはならないと思い込んでいた。日本代表を率いた外国人監督も、ジーコとオシムを別にすれば、長身選手を選んでいたように思う。
またJリーグが始まった当初、外国人監督はしばしば長身選手を海外から呼んで、ヘディングによる得点を狙う戦術を採用し、かつ成果を出していた。だからこそ私が長身DFを評価する所以である。
しかし、その一方で日本人の俊敏さ、クレバーさを活かしたディフェンスを求めた外国人監督もいた。現在は吉田のように長身選手をDFの要に配置している一方で、俊敏で球読みが良く、ボールの出し手として優れている選手をDFに活用する混成パターンが多い。
ただし日本代表での長谷部は、DFの前のボランチとして活躍していたので、私としてはドイツでDFの中心選手として活躍していることは意外であった。
ネットで配信されているドイツ・ブンデスリーガの試合を視てみると、長谷部は球読みの速さだけでなく、身体を寄せて相手にボールを奪われないテクニックに長けているように思えた。要は身体の使い方が上手い。
決して大柄ではない長谷部が、大型選手が多いドイツで活躍できるのは、まさにクレバーなプレーこそが秘訣なのだろう。それと、あまり語られてはいないが、身体のコンディション維持に相当な手間暇をかけていると思う。
若い日本人選手は、是非ともこの長谷部のプレーを参考にして欲しいと思う。小柄な日本人が世界で活躍するためには、身体能力だけでなく知的な面での努力が必要不可欠なのだと思います。
残念だけど彼も満身創痍だとか。そろそろ長谷部の引退は近づいているようです。所属チームは今期低迷しているようですが、是非とも最後の花火を打ち上げて欲しいと思います。
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