ギャク漫画を除いて少女漫画を読んだことがない男性が、とっつきやすいのが川原泉かもしれない。
私自身は少女漫画を子供の頃から読んでいたので、あまり違和感はないが、それでも思春期になると避けるようになっていた。少女漫画独特の、恋愛至上主義が気恥ずかしくて、遠ざかっていた。
ただ「動物のお医者さん」の佐々木倫子や「BANANA FISH」の吉田秋生は読んでいた。どちらも恋愛ものとは程遠かったので読み易かったのは確かだ。同様に川原泉の「甲子園に笑え」も楽しかった。これは男性漫画家には描けない野球漫画だと思っていた。
その川原泉の作品のなかでも、比較的少女漫画の匂いが濃いのが表題の作品だ。他にもあるけど、男性にとっつきやすいのは、これだと思う。
ファンからはカーラ教授と呼ばれるのには訳がある。うん蓄と説明書きが異様に多いのが特徴なのだが、真面目に書かれている癖に、読んでいて噴出さずにはいられない滑稽さがある。
絵柄は明らかに少女漫画なのだが、描かれている内容が微妙にずれている。カーラ教授の照れ隠しなのか、それとも本質的にこちらが好きなのかは知らないが、少女漫画=恋愛だと思っていると、絶対脱力する。
恋愛話がない訳ではないが、男の私が苦にならない程度の描き方なので、少女漫画を読んだことがない御仁には是非ともお薦めした。笑えるというか、脱力するほど長閑です。中編、短編とあるが、私はこの中では、クマさんのお話が好き。
心が荒んだ時、読むのがお薦めですね。・・・丁度、今の私みたいにね。
私も川原泉の作品は好きです。
なんだか切なくて健気な前向きさがあって、なんとなくノスタルジック。
ギャグとシリアスが混じりあっていて。
この人はすごい、と思った漫画家さんの一人です。
作品数が少ないので、イマイチ知名度が低いのが残念に思っているので、もう少し取り上げたいと考えています。