ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

土地なしでのアパート賃貸経営

2017-12-22 12:37:00 | 経済・金融・税制

TVに向かって一人で文句を言うのは滑稽だ。

もっとも日頃は、ほとんどTVを観ない。だから久しぶりに知人宅で観ていて、ついつい我慢できずに「馬鹿か、このCMは!」と口に出してしまった。あぁ、恥ずかしい。

CMは商品を売るために作られているのだから、多少の誇張や、大げさな表現は許容できる。でも、これは如何なものか。

何かと云えば、土地がなくてもアパート経営は出来るって奴だ。見た事ある方も少なくないと思う。財産運用の一つとして、不動産賃貸は比較的手堅いものの一つだし、今の銀行金利を考えれば、利回りだって定期預金よりはずっと高い。

土地がなくても決して出来ない訳ではない。土地を買うのは大変だが、定期借地権を設定してその上にアパートを建てれば十分可能である。CMは決して嘘を流している訳ではない。

ただし、問題は多い。まず資金面だ。可能な限り手持ち資金でアパートを建てるべきで、銀行借入は出来るだけ避けるべきだ。金利負担は決して楽ではない。
また、どこにアパートを建てるかの、立地の問題は非常に重要だ。

少子化が進む日本では、この先アパートを借りる人が増える可能性は低い。高度成長時代とは状況が大きく違う。また住宅あまりは想像以上に進んでおり、空き家、空き室、空きテナントにあふれているのが実情で、これは今後も増えこそすれ、空き室問題が解消される可能性は極めて低い。よほど立地条件のいい場所でないと、アパートオーナーは空き室に悩むことになる。

もっとも、これは当然というか、常識の範囲の問題に過ぎない。私は怒りの声を上げたのは、別の問題があるからだ。

この賃貸経営を進める営業をしているのは、主に建設会社であり、それを銀行がサメ[トしているケースが多い。建築会社にとって、アパート建築は利益率が戸建の家よりも高く、その上オーナーが自ら住む訳ではないので、折衝も楽な仕事である。

一方、銀行は資金の借り手を求めているが、中小企業の事業資金などはリスクが高く応じたくない。その点、手堅い職に就いている給与所得者は、銀行にとって貸しやすい顧客である。

アパート経営を不安がる人には、家賃保証をちらつかせて安心させる。銀行は必ず担保や保証人を確保するから、アパートオーナーがアパート経営が失敗してもリスクは少ない。そして、建築会社は、アパートさえ建てさせてしまえば利益は確保できる。

そして、今流行の家賃保証だが、実はこれは不動産事業としては、非常に美味しい仕事である。アパート管理の手数料は4%から6%程度と比較的、安めに設定しておくのがコツだ。

新築のアパートならば、さほど努力しなくても部屋は埋まる。しかし、建物は経年劣化する。店子の入れ替わりには、必ず部屋を綺麗にしておく工事が必要となる。この工事の代金は、会社側で自由に設定できる。

普通のアパートオーナーならば、複数の業者に見積もりを出させて工事を発注する。しかし、家賃保証をしている場合、その工事費用はオーナーが受け取る家賃収入から天引きして支払う契約になっているので、業者からすると資金の回収は確実だし、なにより値段を好きに決められる。実に美味しい。

一応云っておくと、業者もそれほど暴利を貪っている訳ではない。ただ、これまでに数百件のアパートオーナーの確定申告を見てきた私からすると、オーナーの手許に残るお金はそれほど多くないと思っている。でも、銀行に定期預金として預けるよりはマシですけどね。

それと、これだけは銘記しておいて頂きたいのだが、老朽化したアパートは家賃も安くしないと部屋は埋まらないし、修繕も頻繁に必要となる。どんなアパートだって、必ず老朽化する。その時、家賃保証タイプのアパート経営は非常に辛い。

家賃保証といっても、経年劣化したアパートで、当初契約した通りの家賃の金額では保証できるはずがない。だから契約書には必ず、家賃の金額の見直しの条項が入っているはずだ。

つまり収入は減るし、支出(修繕)は増えるの二重苦の状態に陥る。しっかりと、修理のための預金を積み立ててあれば良いのだが、私が散見した限りでは、それをやっていたオーナーは少ない。

無理もないと思う。だって、アパート経営の初心者に、そこまで先読みすることは、かなり難しい。むしろ、俺様はアパートオーナー様だぜ!といい気になってお金を使い尽くしているケースさえある。

軽い気持ちでアパート経営に手を出すことはお薦めできませんね

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東アジア選手権での大敗

2017-12-21 12:07:00 | スポーツ

負けて悔しいのは分かるが、よく考えてみろと言いたくなった。

先週、日本で開催されていたサッカーの東アジア選手権において、日本代表は韓国に1-4で大敗し優勝を逃した。

この結果を受けて、サッカー評論家やらなんやらが、監督のミスなのだからハリルホッジ代表監督を更迭しろとか何とかとうるさい。

なにかと張り合うことの多い日本と韓国だから、負ければ悔しいのは理解できる。分かるけど、監督に責任を押し付けるのはどうかと思う。

まず、この大会の位置づけだが、正直ローカル大会であり、そのせいか日本も韓国も、中国も北朝鮮も欧州でプレーしている選手は呼んでいない。現在の日本代表チームは、その過半が海外でプレーする選手であり、彼らを中心としたメンバーでワールドカップ予選を戦っている。

ちょっと名前を上げただけでも、本田、香川、岡崎、大迫、原口、長友、乾、長谷部、久保、吉田、酒井高、酒井、川島と代表の主力メンバーが海外組である。だが、今回の東アジア選手権は国内の選手を中心に選抜されている。

しかも、今回が初めて日本代表として試合に出た選手が7名もいる。これは他の国に比べて格段に多い。それゆえに、日本は3軍、韓国2軍、中国と北朝鮮は1,5軍と言われる始末である。

韓国は現在、海外でプレーしている選手が少なく、欧州組は3人ほどで、大半が日本のJリーグなので、この大会には参加できている。ただ、若手にもチャンスを与えているが、出場した初選出の選手は3名だけ。大半がレギュラー陣及びベンチ組でチームを組んでいる。

それゆえ、日本が韓国に負けるのも不思議ではない。両国の実力は、ほぼ拮抗しているのだから、レギュラー陣の海外組がいない日本の劣勢は最初から分かっていたことだ。

つまり、この大会は日本国内の有望選手を実際に日本代表の試合に登用してみるチャレンジの場である。もちろん監督も選手も試合に勝つ気は満々である。しかし、選手にとっては代表に選ばれて、ワールドカップ本戦に行けるかどうかの試験の場であるため、どうしても個人アピールに走りがちだ。

またハリリホッジ監督としても、国内に埋もれている選手がどの程度、国際試合で通用するかを実戦を通じて見極める場でもある。だからこそ、招集した選手をほぼ全員、ピッチに上げている。

このような即席チームではあるが、それでも北朝鮮、中国には勝っている。しかし、元々実力の拮抗している韓国には通用しなかった。勝てたら凄いといった話である。

で、その実力通りに日本は負けた。4失点は三十数年ぶりだと騒ぐ向きもあるようだが、事実上の3軍で韓国に挑んだのも多分、初めてだと思う。ほんの十数年前、Jリーグが始まる前までは、一軍というか、ベストの選手を揃えても勝てなかったのが韓国である。

はっきり言わせてもらうが、思い上がりも甚だしい。日本はそれほど強くないぞ。

正直、期待の若手たちには、いささか失望したが、それ以上に呆れたのが日本のサッカーメディアのお間抜けさ。相変わらずだが、まったく分かってない。いや、多分、分かっていながら上から目線で発言したかっただけだろう。

日本は規律正しく、組織で戦うサッカーが持ち味だ。即席チームで、しかも個人アピールが優先されがちな試合である以上、過剰に期待するのは不適切だと思います。

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妖怪ウォッチ シャドウサイド鬼王の復活

2017-12-20 12:00:00 | 映画

あのジバニャンが怖くなっている・・・

それどころか、あのキュートなコマサンまですれてしまった。勘弁してよ。

一時期、社会現象としてニュースになるほど大人気であった妖怪ウォッチであるが、今はそれほど勢いがない。そこで人気復活を狙って、大幅にリニューアルしたらしい。

その一環として表題の映画が作られた。

単体の映画として観れば、そう悪いものではないと思う。ただ、問題はあの人気アニメの再復活を狙ったものであることだ。製作者サイドにおいて、相当な議論があったのだろう。

かつての小学生たちが成長して中高生になったのだから、彼らを呼び戻す仕掛けが必要だと考えたのだろう。その一方で、今の小学生たちにも関心を持って欲しいとの願望もあるだろう。他のアニメに流れた子供たちを呼び戻したいとの思いも強かったのだろう。

そんな思いをごった煮にしたような映画になってしまった面は拭えないと思う。いくらなんでも、ありゃ、やり過ぎた。

昔のジバニャンを知らなければ、あの新ジバニャンでも納得できるかもしれない。昔のあの可愛くて、いたいけなコマサンを知らなければ、あの姿も納得できるかもしれない。

まして「げげげの鬼太郎」とか「平成版仮面ライダー」のバロディを持ち込まれても困る。いろいろとチャレンジというか試しているのも分かるけど、やり過ぎた。

「ポケモン」にせよ「ドラえもん」にせよ、時代の変化に合わせて変わってきているが、変らない部分を大事にしているからこそ、何時の時代でも子供たちは引き付けられる。

大人の浅知恵が過剰にでしゃばると、むしろ子供は引いてしまうと思う。ちなみに、TVアニメの方は、これほどチャレンジはしていないらしい。してみると、この映画は大人たちが子供たちの反応を観るための試験薬なのかもしれない。

いろいろと、批判的に書きましたけど、子供たちに混じって私もケラケラと笑っていたのも事実です。単体の子供向け映画としては、そう悪くないとも思います。

ただ、余計なことを考えがちな大人には、ちょっと辛いね。

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作らない製造業(NEWSWEEK)

2017-12-19 12:09:00 | 

商業メディアというものは、耳目を惹きつけてこそ売れると考える。売ることが目的である以上、事実を過剰に歪めて報道することは珍しくない。

私はわりあいと、このNEWSWEEKという雑誌を高く評価している。日本のメディアとは異なる視点での報道を提供しているからだ。ただし、アメリカの大手雑誌であるから、ときおり妙な記事を書く。

特に日本語版は、ひどく偏向した記事を書くことがある。それでも「LIFE」や「NY TIMES」に比べればマシなのだが、注意して読まないと拙い記事も散見する。

先週号がそうであった。スマートフォンを取材の中心にしての記事なので、致し方ないことではあるが、その内容には首を傾げた。スマートフォンに限らず、パソコンなどは、今や組立業である。

様々な国の企業から部品をより集めて、消費者に売れるよう魅力的な製品を組み立てていくのが今の作り方である。だから商品の企画力が重要となる。市場の変化、消費者の嗜好の変化に素早く対応することも大切だ。

この点、日本の企業は大きく後れを取っているとの指摘はもっともだ。日本の大企業は、やたらと会議が多く、その意思決定には多大な時間がかかる。これが変化の激しいスマホ業界には評判が悪い。

日本ではアップル社が圧涛Iなシェアを誇るが、今や世界市場ではアップルの独占とはいいかねる。スマホで大きく躍進した韓国のサムソンやLGでさえ今や中国のスマホに圧倒されつつあるのが実情だ。

その中国では、小さな企業が創業精神にあふれた若きシナ人たちに率いられて、スマホ業界を席巻している。記事の「作らない製造業」との表現も、このあたりの実情を反映してのものだ。

もっとも、その組み合わせる部品の分野では、日本の企業の存在感は半端ではない。OSなどのソフトの分野でこそ遅れをとっているが、素材、素体、電子部品、そして製造機械では日本企業抜きでのスマホは難しい。

厭らしいのは、この記事の執筆者はそのあたりの裏事情を承知の上で、この記事を書いていると思われることだ。

私は日本企業が万全だとは思っていない。むしろ日本経済を支えてきた製造業は、今相当な危機的状況にあるとさえ思っている。でも、この記事で指摘されていることとは別の問題だと認識している。

最近、データー偽造等の問題が、日本を代表する大手企業において発覚して報道されている。一昨年のタカダの問題だって、未だ引きずっている有様である。

様々な要因があるので、とても一律に評価することは出来ないが、日本の製造業に危機が迫っていることは確かだと思う。バブル期の前後からだと思うが、日本社会に製造業を軽んじる論調があったように思う。

丁度、私が就職活動などをしていた頃なので、よく覚えているが、雰囲気として金融サービスを日本経済の筆頭に数えるかのような論調の文を読んだ記憶がある。事実、大学でも成績優秀な連中ほど銀行や証券会社などを志向していた。

それでも自動車会社や家電メーカーなどは健闘していたと思う。バブルが弾けても、しっかりとした物づくりの基本を守っていた企業は安泰だと思えた。ところが、足元から物づくりの基本が崩れてきた。

経営トップに、製造現場を知らない人間が付き、コストダウンなど無理な要求を現場に強要するようなケースが散見するようになった。これは以前からあるというか、良くある話ではあるが、現場の発言力が低下しているため、無理が通ってしまう。

バブル以前は、労働組合などが強力な発言力を持っていたが、それが経営に悪影響を与える場合もままあり、バブル崩壊を機に労働組合は骨抜きされてしまった。典型的なのは、日産であろう。外国人経営者の前に、労働組合は牙を抜かれ、雇用確保に追われてしまった。

嫌気が差した優秀な技術者が現場を去り、結果的に製造現場の能力が低下した。更に高齢化が、それに拍車を駆けた。守秘義務があるから具体的には書けないが、ある大手メーカーの工場で、排熱パイプが壊れて製造ラインが止まったことがあった。

以前ならば、古参の工員たちが手道具でもって自己流に修理して、何事もなくラインは復旧できた。しかし大卒のエリート社員には、そんな真似は出来ず、古参の工員は既に退職、または転職してしまって今はいない。

結果、下請けの吹けば飛ぶような零細工場の社長が呼ばれて、その故障を直している。その社長さん、最初は何で自分がと訝っていたが、今じゃ工場にトラブルがある度に呼ばれている。

かつて、修理をやっていた退職した古参の工員を呼べば済むことなのだが、リストラを言いだした工場長には出来ないらしい。かつて、出入りの下請けとして辛い立場にあることが多かった零細工場の社長は、あんな簡単な修理が出来ないなんて、どうしちゃったんだろうねと不思議がっている。

現在、若い人は工員になりたがらず、またその工員を大事にする気風も損なわれているのが、今の日本の製造現場の一面である。中高年ばかりが目立つ工場の技術者をみていると、私はとても不安に思わずにいられません。

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SHISYAMO 明日も

2017-12-18 12:07:00 | 音楽

事務所の窓際にはミニコンポが置いてある。

普段はFM放送を流している。それほど熱心な視聴者ではないが、ここ最近、耳に妙に馴染んでしまう曲がある。

「月火水木金、働いた~♪」

若い女性ボーカルが軽妙に歌い上げる。

「良いことばかりじゃないからさ。痛くて泣きたい時もある~♪」

ありきたりの日常と、誰にでも共感できる歌詞が心地よい。

調子の良い時なら、聞き逃してしまうかもしれないが、今年はトラブルが多く、悩み多き一年であった為だろう。この歌が妙に頭に残っている。

苦しいのは自分だけじゃない、辛いのは自分一人じゃない。分かっちゃいるけど、時として叫びたくなるほど追いつめられた。

幸い、若い時よりも面の皮も厚くなり、心臓も毛が生えているようである。もっとも、その心臓の血管が詰まることもあるから、きっと血管にもだいぶ汚れが貯まっているのではないかと思う。

最近、さっぱりしたものが食べたくなるのも、そのせいかもしれない。シシャモなんて良いよね、今晩はシシャモを焼こうかな。

ところで、表題の歌は三人組の女性バンドなのだが、バンド名は「SHISYAMO」だそうだ。元々は柳葉魚(ししゃも)であったそうだが、別に好きな魚という訳ではなく、語感が面白かったからだとか。

正直、奇抜すぎてバンド名を覚えるのに苦労した。っつうか「めざし」とか「さんま」ではないかと思っていた。ラジオのDJが、ちゃんと「シシャモ」だと言っているのだが、覚えられなかった。

改めてネットで調べて、ようやく判明した次第。名前とバンドが結びつきにくいことが一因だと思うけど、一番大きな要因は私の脳の老化だろうなぁ。

まっ、いいか。誰だって年取るもんだしね。

https://www.youtube.com/watch?v=zhCtzmDWsN0

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