戦争を最も効率的に行うのならば、不意打ちが一番だ。
近代に入り長距離飛行による急襲や、ミサイルによる先制攻撃が不意打ちの典型となった。その大半がアメリカによるものだ。
真珠湾攻撃を卑怯だと言われてきた日本人の一人としては、いささか思うところもあるのだが、不意打ちが理想的な戦い方であることは認めている。
ただし、爆撃やミサイル攻撃は破壊は出来るが、制圧は出来ない。やはり地上軍の派遣がなければ、戦争相手を完全に屈服させることが出来ないのは、古来より変わらぬ事実である。
陸続きの隣国ならいざ知らず、海を越えての遠征が必要な相手国に対して地上軍を派遣するのは、大変な労力を必要とする。
現在、ミサイル発射実験を止めない北朝鮮に対し、アメリカが空母3隻(と護衛艦隊)を日本近海に派遣し、日本や韓国と軍事演習を繰り返している。このような状況から、戦争を危惧する報道が多い。
私はアメリカがミサイルなどを撃ち込む可能性はあるかもしれないと思うが、本格的な戦争はないと考えている。理由は簡単で、アメリカ軍が地上軍を派遣してこないから。
北朝鮮がミサイル発射実験を繰り返すのは、アメリカと戦いたいからではない。むしろアメリカに体制保証をしてもらいたいのが本音だ。それも対等の立場で有利に交渉したいと考えているからこじれている。本当のところ北が一番、恐れているのは、かつての宗主国であるシナである。
シナに対抗するためにこそ、核兵器及び搭載可能なミサイルの実用化に傾唐オていたとみるべきだ。そして、もう一つ分かってきたのは、その核兵器及びミサイルの開発を支援しているのはロシア(ウクライナ経由かもしれません)であることだ。
ロシアは別に北朝鮮を助けたい訳ではない。ロシアは現在、失われたバルト諸国を再びロシアの勢力下に置こうとしている。それをアメリカに妨害されないために、ユーラシア大陸の反対側での紛争を創出しているだけだ。
アメリカは、同時に二か所、軍隊を派遣することを嫌がる。それゆえに、バルト海沿岸諸国で、親ロシア勢力による政変が強行されて、そこにロシア軍が派遣されるような事態になった時に、朝鮮半島での危機を演出して、アメリカの手を縛るのが目的である。
それゆえに、ロシアは現在、今すぐに朝鮮半島での戦争危機を望んではいない。一方、北の刈り上げデブの横暴さに不満を抱きつつも、アメリカの使いっ走りはしたくないシナは、北への経済支援を絞りつつも、本気で北へ軍隊を出すつもりはない。
シナの本命は、あくまで台湾である。半島なんざ二の次なので、この段階でリスクを冒す気がない。
では、何をするのか分からない不気味さがある北の刈り上げデブから、戦争の焔を燃え上げる気があるのか?
これは、ある、無しではなく、無理としか言いようがない。この国の兵器は古すぎる。大半が、朝鮮戦争当時の残り物である。1950年代に開発され、60年代に活躍したような兵器が、未だに軍の第一線配備されている。
いくら兵器が頑丈でも、半世紀は長過ぎる。実は潜水艦の保有隻数は、北朝鮮が世界一である。ただし、旧ソ連が沿岸警備用に開発し、配備したディーゼルエンジンで動く小型潜水艦である。今日でも配備しているのは、北朝鮮ぐらいなものである。稼働できるか、どうかは不明ですけどね。
旧ソ連から譲り受けた中型の通常型潜水艦を改造して、水中から核兵器を搭載したミサイルを発射できるよう、鋭意準備中なのが、今の北朝鮮軍である。正直、小型潜水艦でさえ満足に運用できなかったのだから、相当に無理をしているはずだ。
推測でしかないが、今の北朝鮮軍で実戦使用に耐えうる兵器は、ミサイル以外、ほとんどないと思う。その意味で、あの刈り上げデブ君が、核兵器に固執するのも当然だと思う。他にない以上、核兵器にしがみ付くしかないではないか。
従って、北朝鮮からの先制攻撃は考えにくい。戦争をするだけの体力がないからだ。よって、だからこそ、ミサイル撃つゾ、核兵器実験するゾ、水中発射ミサイルだって撃っちゃうゾと吼えるしかない。実際の戦争は、まずありえないと思う。
それでも、一点怪しいと思うのは、現在、北朝鮮国境近くに配備されていると噂されるシナ軍である。シナ人は面子をとても重んじる。刈り上げデブ君は、少しシナ人の面子を潰し過ぎではないかと思う。
トランプよりも、習の堪忍袋がいつまで持つかが、あたしゃ心配ですね。