負けて悔しいのは分かるが、よく考えてみろと言いたくなった。
先週、日本で開催されていたサッカーの東アジア選手権において、日本代表は韓国に1-4で大敗し優勝を逃した。
この結果を受けて、サッカー評論家やらなんやらが、監督のミスなのだからハリルホッジ代表監督を更迭しろとか何とかとうるさい。
なにかと張り合うことの多い日本と韓国だから、負ければ悔しいのは理解できる。分かるけど、監督に責任を押し付けるのはどうかと思う。
まず、この大会の位置づけだが、正直ローカル大会であり、そのせいか日本も韓国も、中国も北朝鮮も欧州でプレーしている選手は呼んでいない。現在の日本代表チームは、その過半が海外でプレーする選手であり、彼らを中心としたメンバーでワールドカップ予選を戦っている。
ちょっと名前を上げただけでも、本田、香川、岡崎、大迫、原口、長友、乾、長谷部、久保、吉田、酒井高、酒井、川島と代表の主力メンバーが海外組である。だが、今回の東アジア選手権は国内の選手を中心に選抜されている。
しかも、今回が初めて日本代表として試合に出た選手が7名もいる。これは他の国に比べて格段に多い。それゆえに、日本は3軍、韓国2軍、中国と北朝鮮は1,5軍と言われる始末である。
韓国は現在、海外でプレーしている選手が少なく、欧州組は3人ほどで、大半が日本のJリーグなので、この大会には参加できている。ただ、若手にもチャンスを与えているが、出場した初選出の選手は3名だけ。大半がレギュラー陣及びベンチ組でチームを組んでいる。
それゆえ、日本が韓国に負けるのも不思議ではない。両国の実力は、ほぼ拮抗しているのだから、レギュラー陣の海外組がいない日本の劣勢は最初から分かっていたことだ。
つまり、この大会は日本国内の有望選手を実際に日本代表の試合に登用してみるチャレンジの場である。もちろん監督も選手も試合に勝つ気は満々である。しかし、選手にとっては代表に選ばれて、ワールドカップ本戦に行けるかどうかの試験の場であるため、どうしても個人アピールに走りがちだ。
またハリリホッジ監督としても、国内に埋もれている選手がどの程度、国際試合で通用するかを実戦を通じて見極める場でもある。だからこそ、招集した選手をほぼ全員、ピッチに上げている。
このような即席チームではあるが、それでも北朝鮮、中国には勝っている。しかし、元々実力の拮抗している韓国には通用しなかった。勝てたら凄いといった話である。
で、その実力通りに日本は負けた。4失点は三十数年ぶりだと騒ぐ向きもあるようだが、事実上の3軍で韓国に挑んだのも多分、初めてだと思う。ほんの十数年前、Jリーグが始まる前までは、一軍というか、ベストの選手を揃えても勝てなかったのが韓国である。
はっきり言わせてもらうが、思い上がりも甚だしい。日本はそれほど強くないぞ。
正直、期待の若手たちには、いささか失望したが、それ以上に呆れたのが日本のサッカーメディアのお間抜けさ。相変わらずだが、まったく分かってない。いや、多分、分かっていながら上から目線で発言したかっただけだろう。
日本は規律正しく、組織で戦うサッカーが持ち味だ。即席チームで、しかも個人アピールが優先されがちな試合である以上、過剰に期待するのは不適切だと思います。