ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

バウンサー みずたまこと

2017-12-04 12:44:00 | 

チートという言葉がある。

英語でCHEATであり、ズルとか騙すの意味で使われる。カンニングとは和製英語で、本来はCheatingが正しい。いずれにせよ、あまりいい意味で使われることがない。

ゲーム業界では、ユーザーがゲームプログラミングを自分で勝手に改竄して、いきなりLV100の勇者でプレーしたり、レアカードが頻繁に出るようにしたりする不正行為のことをチートと呼ぶそうだ。

私もゲームは好きだが、チート行為をしてまで有利にゲームを進めようとは思わない。むしろ弱いならば、弱いなりに知恵を絞ってゲームを進めるほうが面白いと思う。だから、チートをするプレイヤーはズルいと思ってしまう。

このチートという概念を人間に当てはめて表現したのが表題の漫画の作者であった。

この漫画でも登場するが、たしかに異常に強い人間って実在する。これは実体験してみないとピンと来ないかもしれないが、肌で感じた格の違いって奴は理解しがたくも厳然と存在する。

人類の99%は100メートルを9秒台では走れない。どんなに努力しようと無理なものは無理。違法薬物等でも使わない限り、ほとんどの人間はそんなスピードでは走れない。

そんな神に愛でられたとしか言いようのない才能を、素直に賛美するからこそ、オリンピックのようなアマチュア・スポーツの世界大会は価値がある。もっとも、それを狡い、不公平だと不満に感じる人もいるだろう。その突出した異才を、後者はチートと呼ぶようだ。

ところで、神ではなく悪魔に魅入られたとしか言いようのない才能に直面した時、人は素直にそれを賛美できるであろうか。

私は直面したことはないが、人を殺す、人を壊すといった分野でも、ある種の人間は突出した才能をみせるそうだ。見たことはなくても、それが実際に存在するであろうことは否定できない。

そんな異端の人間に実際に出会い、生死の選択を迫られるような場面に直面した時、どうしたら良いのか。

この漫画の主人公は、その異端の才能に出会い、ぶちのめされながらも、殺されることなく、むしろその素質を見抜かれてバウンサー(用心棒)に勧誘される。

別冊ヤングチャンピオン誌に連載されているのだが、私はこの漫画が読みたくて、ついつい立ち読みしてしまう。予め言っておきますが、この漫画は読み手を選びます。

青年誌での連載ではありますが、非常に暴力的であり、暴力を肯定しているだけでなく、凄まじく残虐な場面も描かれています。健全な良識が敢えて目をそらしてきた人間の裏面が描かれた漫画です。だからお薦めはしません。でも興味がありましたら是非どうぞ。

コメント (5)
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