事務所の窓際にはミニコンポが置いてある。
普段はFM放送を流している。それほど熱心な視聴者ではないが、ここ最近、耳に妙に馴染んでしまう曲がある。
「月火水木金、働いた~♪」
若い女性ボーカルが軽妙に歌い上げる。
「良いことばかりじゃないからさ。痛くて泣きたい時もある~♪」
ありきたりの日常と、誰にでも共感できる歌詞が心地よい。
調子の良い時なら、聞き逃してしまうかもしれないが、今年はトラブルが多く、悩み多き一年であった為だろう。この歌が妙に頭に残っている。
苦しいのは自分だけじゃない、辛いのは自分一人じゃない。分かっちゃいるけど、時として叫びたくなるほど追いつめられた。
幸い、若い時よりも面の皮も厚くなり、心臓も毛が生えているようである。もっとも、その心臓の血管が詰まることもあるから、きっと血管にもだいぶ汚れが貯まっているのではないかと思う。
最近、さっぱりしたものが食べたくなるのも、そのせいかもしれない。シシャモなんて良いよね、今晩はシシャモを焼こうかな。
ところで、表題の歌は三人組の女性バンドなのだが、バンド名は「SHISYAMO」だそうだ。元々は柳葉魚(ししゃも)であったそうだが、別に好きな魚という訳ではなく、語感が面白かったからだとか。
正直、奇抜すぎてバンド名を覚えるのに苦労した。っつうか「めざし」とか「さんま」ではないかと思っていた。ラジオのDJが、ちゃんと「シシャモ」だと言っているのだが、覚えられなかった。
改めてネットで調べて、ようやく判明した次第。名前とバンドが結びつきにくいことが一因だと思うけど、一番大きな要因は私の脳の老化だろうなぁ。
まっ、いいか。誰だって年取るもんだしね。
https://www.youtube.com/watch?v=zhCtzmDWsN0