
北アメリカ星雲とペリカン星雲(右) Photo by かんと氏
夏の夜空を眺めながら、われわれは良い時代に生まれてきたものだと、しみじみ思う。
確かに今も、東日本大震災の未解決な問題が山積し、それに苦しむ人がいる。毎日のように殺人事件やら、凶悪犯罪は絶えない。病気に苦しむ人も多かろう。それでもしかし、地球的な規模でみて、はたまた歴史的に見て、現在の日本は平和ないい国だと思う。戦争がない。圧政もない。貧困もほぼ克服され、教育もそれなりに行われている。これからもこの国はなんとか続いていってはくれるだろう。しかしでは、今以上の自然および社会環境を、この国の将来に期待することができるだろうかと問われれば、はなはだ悲観的である。
同じように、今後も人類はこの小さな地球の上で、人口を増やしつつ存続していくと思われるが、果たして世界中の人々が、例えば現在の平均的な日本人が享受しているようなレベルの文明に達するまで、人類の歴史は続いていってくれるだろうか、地球は待ってくれるのだろうか。案ずれば、はなはだ悲観的である。
だから、広大な宇宙の、無限につづくと言っても許されるような長い時間の中で、偶々戦争のないこの時代の、独裁のないこの国に生まれたことを、幸運だと思うべきだ。
人類は、これから先も、これまでの文明や科学を総括し、新しい今までとは違った方向に進もうとはしないだろう、できないと思う。その結果の悲劇を、もしも予測できたとしても、多分止められまい。
人間の限界と諦めて、広大無辺の宇宙を眺めてみよう。落葉松の梢の上に見えているあのさそり座のアンタレスから発せられた光が、500年後のこの地球に届くころには、もしかすればとっくに人間圏や、人類は消滅してしまっているかも知れないが・・・、とりあえず今夜は、たまゆらの幸福感に浸ろう。祭りを始めよう、満天の星の下でだ。
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