網状星雲 Photo by かんと
かんと氏は一昨夜、超新星爆発の名残と言われる「網状星雲」を、今回持ち込んだ新兵器で見事に捉えてくれた。深い宇宙に起きた遠い昔の出来事を、やっとたどり着いた光が今、知らせてくれている。
アリゾナの砂漠の一隅、岩の上に建てられた小さな教会。長方形の形をした木製の建物は、下方にいくに従い心持ち広がって見える。その正面に、やはり木製の大きな十字架が建物と一体化して、その奇妙な建築物が何であるかを教えてくれている。教会の中にはランタンが灯されていても、人影はない。
そしてその頭上、息をのむような美しい星空が広がっている。天頂近くには琴座のベガが煌めき、目を地平線近くまで移せば赤い岩の上には片翼しか見せていない白鳥座が、広大な夜空に、静かに舞い上がろうとしている。
星座のことは知らないと、何度かこれにも書いた。しかしこの頃気が変わって、代表的な星座ぐらいは覚えようかと考えていた矢先、N君が1冊の星座の本を持ってきてくれた。この本の良いところは、世界中の美しい夜空が紹介されていることで、偶々アリゾナ砂漠の星空が目にとまった。その写真を掲載するわけにはいかないので、文章で書いてみようとしたのだが、とても言葉などでは尽くせない。
ここなら、神はいるかも知れない。どうも神は静穏を好まれるような気がする。中東の、アフリカの、東ヨーロッパのケイオスを尻目にか無視してか、ただ沈黙を守っている。そうするには、星降るアリゾナの砂漠は打って付けの場所だろう。
神はご自分の子が訳の分からぬ理屈で争い、殺しあう様など見たくも、知りたくもないようだ。たくさんの無辜の命が巻き添えにされているというのに、すでに、諦めていなさるのか。
「九00年先の未来のことを心配してもしかたないかもしれない。ただし、万が一その頃まで現在の文明が存続していたとすると云々」(「地球システムの崩壊」松井孝典著)。「万が一」だと!
かんと氏の素晴らしい作品は、明日も登場します。お楽しみに。
山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては7月9,13日のブログをご覧ください。