
朝のうちはカッコーの声もしていたが、今はセミの鳴き声しかしない。薄日が射して気温は20度まで上がり、気だるい夏の午後といった感じだ。
マッキー以外は、囲いの中も第1牧区も、牛たちは落ち着いている。第1牧区の牛たちにとってはきょうは給塩の日で、あえて量を少なめにして与えておいた。多すぎると残し、それを鹿がおこぼれ頂戴とばかりにやって来る。また、頻度は変えないがもうしばらくは、いつでも塩を欲しがるくらいの状態にしておこうと考えている。その方が調教しやすいからだ。7月ごろには呼べばかなり遠方にいても来るようになるだろう。
初代マッキーがいたころは、クラクションを鳴らすと、姿は見えないままバキバキと森の中の枯れ枝でも踏み折る音まで立てながら、10分くらいの時間をかけてもやってきたものだ。雄牛には注意しろと言われていたが、初代に不安を感じたことは一度もなかった。一度脱柵して、嬉しそうに5,6頭の牛を引き連れ、弁天様の傍の三叉路まで小走りで現れた時には焦ったが、それでも大事なく済んだ。
そこへいくと、二代目さんには参る。クマスプレーの案に対しては興奮させない方がいいという理由で、下では賛成ではないようだ。しかし、いつ、どういう状態になれば、安心して種牛に接するようになれるか、それを誰なら分かるというのだろう。一昨年、コンサルタントのY氏が冷や汗を流した時は、入牧して1ヶ月以上経っていたワクチン噴霧の際だったし、給塩に行って妙な仕草をしながら威嚇してきたたのは、中間検査の後のことだった。今の状態で囲いから第4牧区へ出してしまえば、一体どういうことが起きるか予測がつかない。
先程、下から連絡があって、当面の対策をどうするかが決まった。やはり、できるだけ刺激を与えない、ということが今後の方針となった。そして最悪、第4牧区には出せなくとも、囲いの中で給餌することになってでも、安全の上から止むを得ないということになった。給餌してでも囲い内に置く、ということなら、異議はない。畜産課や、マッキーの畜主も来週には上がってくるという。
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