またイノシシ奴に、ジグソーパズルの大量出題をされた。まだ貴婦人の丘を象徴するダケカンバの周囲は無事だが、これ以上勝手なことをするなら、手持ちのくくり罠を何台か投入するしかない。仮に支点が抜けて逃亡されても、あの場所はイノシシにとって危険な所だと教えることができれば、それだけでも効果はある。
牧草に与える肥料は機械を使わず手で撒き、散乱していた石ころは根気を出してこれも手で拾った。そうやってあの緑の丘が貴婦人になぞらえられるまでになって、幾つものコマーシャルや映画の舞台になった。
そういう場所であるのにかつては、よく侵入する者がいた。オートバイを乗り入れた不埒者もいた。多勢に無勢をいいことに中には開き直ったり、食ってかかってきた者たちもいたりして何度となく後味の悪い思いをした。
そして今度はイノシシである・・・。
今思い出したが、草地のすぐ隣の林の中でくくり罠にイノシシが掛かったことがあった。あの丘は鹿の集団がよく出没するため、罠を仕掛けてこれまでにかなりの数を捕獲した。偶々その罠の一つにイノシシが掛かったというわけで、折よく囲い罠の鹿の殺処分に来てくれていたK氏に銃で仕留めてもらい、その後獲物は小屋に来ていた人たちの胃袋に収まったという記憶がある。
これまでもイノシシの被害がなかったわけではない。それどころか毎年のようにあった。ただ、あまり使わない放牧地であったりしたからそれほど問題にはしてこなかっただけで、それも被害が出るのは大体7月の初旬だった。
対策として撒いた石油や石灰の臭いの効果はあったと思いたいが、昨夜の雨で臭いも消えてしまっただろう。罠の設置もだが、草を傷めない人工的な臭気の強い何かを見付けなければなるまい。え、またカプサイシン?ムー。
昨日立ち寄った人から、西穂と奥穂の間にあるジャンダルムに今は鎖が設置されていると聞いた。誰かあそこも、一般の登山路にしたいという思惑でもあるのだろうか。
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