昨日上に行って驚いた。例年の記憶からすれば、山の季節はほぼ5月ごろに等しく、林道の日陰には残雪あり、ド日陰の手前には大きな岩の崩落があったが、それら以外、雪道用のタイヤで4輪駆動車なら何の問題もなく行くことができた。
昨年、一昨年の4月に降った春の雪と倒木に手を焼かされたことを覚えているだけに、4月になったばかりであの状態を目にすれば、どうしても温暖化ということを考えてしまう。
上で予定していた仕事に、鹿対策用の大型の囲い罠の準備があった。冬期間は罠を閉鎖しておいたので昨日誘引を兼ねて開けてきた。ただ、前回23日に上に行った時もそうだったが、どうしたことか鹿の姿がどこにもない。いつでも決まって目にする場所にさえいない。
その話を報告がてら親しい猟師に話したら、鹿ばかりかイノシシも激減していると、里ではとっくに話題になっているそうだ。これまではそういう話を聞いても、入笠は相変わらずだと言って、そんな声に反論していたが、しかしそうも言っていられなくなってきた。
牧場を管理する立場からすれば、これは願ってもないことだ。糠喜びの可能性も捨てきれないが、こうした自然界の思わぬ変化にはやはり気になる。生物は、ある段階までその数が増えると、減少に転ずるという話を聞くが、そんなことが鹿やイノシシにも起きているのだろうか。いや、70億の人類は大丈夫なのか。
この辺りも桜の花が開花したばかりだと思っていたら、たった2,3日で満開になった。この花のいつにない気ぜわしい様子も、これまでの記憶とはまるで違い気になってくる。天竜川の土手から眺める花も、咲き出したと思ったら僅か中1日を置いて、ほぼ満開である。福与城址も、まだ早いと思っていて昨日は、豊満な体躯を派手な衣装で飾るご婦人のようで、実はもっと控え目で痩せた清楚な姿を期待していた。
昨日は入笠から千代田湖、杖突、紅葉湖、福与城址を巡り、きょうはTDS君と西山の春まだ浅き自然の中を訪ね、堪能した。深い山、芽吹きかけた樹々、流れ下る水、山紫水明の粋を二人で存分に味わい、また同時に山間の住人の絶えた集落が、明るい春の光の中で侘しさを募らせているのを目にして帰ってきた。
斎藤さん、こちらからの連絡方法を教えてください。
本日はこの辺で。