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仕事始め。朝6時起床、天気は申し分なく、気温は少し低めか。せめて最初の日ぐらいはと、弁当を自作する。そう決めているわけではないがなぜか初日の主菜は鰻となり、卵焼き、きんぴらごぼう、おから、それにミニトマトとアスパラという内容。中身はどうあれ、こういう支度を済ませ一路春まだ浅き山の牧場へ。誰に見送られるわけでもなく早や15年目、こうした境涯にも当然、複雑神妙な感慨が湧いてくる。
山室の谷に入る。弘妙寺(ぐみょうじ)の桜はすでに時季が過ぎ、芝平の分校跡でようやく満開の花と出会えた。例年ならば、あの寺が花に埋もれるのはまだ先のはず、今年は季節の進み方が早過ぎるのだ。第1堰堤のオイデエラの名花、紅花枝垂れ桜はこれからだが、赤い蕾の色がさらに濃くなってきていた。3,4日すれば咲き出すだろうが、これもかなり早い。
上に来ると、春霞の中に先日雪化粧をやり直した数々の名峰が浮かぶように見えていた。きょうは、北アルプスは霞んですっきりとせず、御嶽山や中ア、その中でも空木岳の雄姿が目を惹いた。
貴婦人の丘の手前で2頭の鹿、さらに進むと道路を挟んで両側の斜面にそれぞれ10頭くらい、2群の鹿を確認。あれだけの頭数を目にしたのは久しぶりだ。それでも、いつもなら必ずと言っていいほど鹿の群れを目にする第2牧区の斜面にも、第4牧区の放牧地にも全く姿はなかった。
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毎年ながら、小屋開きは水回りから始める。前回来た時は水量が少ないと思ったが、案ずるほどのことはなく、今こうしていても台所から水の流れる音が聞こえてくる。管理棟も小屋も窓を全て開け払い、早春の風を入れ、冬の沈鬱でよどんだ空気を一掃した。ここまでが終わると、まずは一安堵。
それから、第1牧区、第3牧区を見回る。見慣れた風景だが、枯れた牧草を薄っすらと緑の色が染めるように見えている。今はまだ風景は不愛想だが、今年の入牧頭数が分かるのころになれば、あたり一面が鮮やかな緑色に変わり、周囲の森や林も思いおもいの緑の衣装を纏うようになるはずだ。
さてさて、山の中の小屋やキャンプ場の話である。そこへ来る人の数など知れているし、飲食店などと比べれば換気は充分にでき、密集なども避けることができる。受付人数も大幅に抑えている。
それでも、covid-19及びその変異株の感染の現状、毎日奮闘してくれている医療従事者のご苦労を思えば、少なくも今、こちらから是非お出掛けくださいとまでは言えない。今年の営業案内のリンクを解いたのは、そういう理由ですのでご理解ください。
本日はこの辺で。