入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「春」(36)

2021年04月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

              Photo by Ume氏

 予定通り、上に行ってきた。雪に関しては全く問題がなく、というより林道は除雪が済んで乾き切って、約1ヶ月後の5月の状態か、それよりさらに後の時季と言ってもよいほどだった。こんなことは15年目にして初めてのことである。「貴婦人の丘」の日当たりの良い場所などは、すでに牧草の薄い緑色が目に付いた。あの辺りは例年なら、初の沢の谷から吹き上げてくる風の影響を受け、道路の半分以上が深い雪に覆われて通行を困難にしているのだが、今年はひとかけらの雪さえなかった。
 
 気になっていた鹿は、貴婦人の丘からさらに進んだ大きな曲がりの手前で5,6頭をその日初めて目撃した。弁天様の三叉路からも、小屋の裏の鹿が最も好む第2牧区の斜面にやはり5,6頭見えたが、あの程度なら問題にする数ではない。さらにまた、誘引の効果があったのか、大型の囲い罠にも3頭ばかり入っていたがこれらは無視した。ゲートは開放してあるからいずれは出ていく。そして安全だと分かれば、もっと仲間を連れてくるだろう。
 
 富士見側の道路はまだ冬季閉鎖のままだったが、車の通行はできるらしく、小屋で待ち合わせることにしていた町の職員は車で来た。連休前には例年通り交通規制が始まるだろう。規制のやり方が幾分緩和されたと言って説明してくれたが、個人情報の取り扱いがやかましい昨今、あのやり方が適当であるかは些か疑問もあったが了解するしかなかった。
 
 問題の枝打ちは、牧場内だけで済むような話ではなく、ヒルデエラ(大阿原)の先まで行ってみると、富士見側の道路の方がもっと厄介だと分かった。後で聞いた町の説明では近年、林業関係者の車の通行が減って道路管理が大分手薄になっているとのことだった。それにしても、あの数キロの道路沿いを枝打ちするとなれば、牧場内などとは比較にならない手間暇が要る。ただでさえ富士見町は入笠への来訪者に関してはゴンドラの利用を望んでいて、牛の搬入のためにそんな想定外のことをやってくれるとは考えられなかった。
 となれば、牛の入牧を1日でやるのではなく、中型車だけで翌日もやるということも考えなければならない。ただこれも、検査を含め入牧のための人員をどうやって確保するかとなれば簡単なことではない、難しい。(4月13日記)

 もう昨日になるが、久しぶりに弁当を自作して上に持って行った。時間がなく、昨日はそれを結局食べることなく持ち帰ってきたのだが、もうすぐまたそうした日々が始まる。かなり普通とは違った孤軍奮闘の晩年だと、思わず苦笑した。
 本日はこの辺で。

 
コメント
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