![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/f1/97fff99388a114593356535120f1fb08.jpg)
はっきりしない天気で、晴れ間が見えたかと思えば冷たい雨が降りだし、そのうちに止んだかと思えば、また降り出す。気温は低く、終日10度を越えない。広いキャンプ場には2組4人がいるだけで、例年のように林道を行き交う人たちの姿もない。静かだ。
午前、さらに昼を挟んで午後もこんな天気の中、3時までひたすら枝打ち。軽トラの荷台に脚立を立て、それに登ると、高い所が好きだったころが嘘のように緊張する。高枝用の柄の長いノコギリと、大小2台のチェーンソーを使っているが、そのうち小型のチェーンソーがコナシの枝と絡んで外れたのを機に、作業を止めて小屋に帰ってきた。
芽吹きの始まる前に終わらせようと思うから、伐りっ放しにしたままのコナシの木も大分あるが、その処理は後回しになる。もしかすれば、片付け仕事は牛が山を下りた今年の秋になってしまうかも知れない。
こんな天気で、高い山はどうだろうか。霙のような雪だと、雨具に沁みてきたりして、場合によっては遭難事故に繋がることもある。
ゴアテックスが登場したてのころ、それを入手し、北岳に行ったことがあった。おあつらえ向きというのか、登攀中に雨が降ってきたので、早速その最新鋭の雨具を着た。ところが山頂に立った時はびしょ濡れになってしまっていた。確か秋だったと思う。
その話を翌年、5月の涸沢で山道具に詳しい関西の友人に話したら、雨具を広げ、袋状にして水を1リットルくらい入れてみて、それで漏らなければ合格だと教えてくれた。結局、不合格だった。彼からは、せめて山では、ビールの量を少し慎むべきだと忠告された記憶がある。
大阪から出てきて東京で最後に会った時、「この海外山行から帰ってきたら結婚する」と照れながら言ったけれど、彼は帰ってこなかった。
もうもう、遠い昔の話だ。涸沢は昔と変わらず、このご時世でも登山者で賑わっているのだろうか。
天気はさらに悪化してきた。帰ろう。明日は沈黙します。