入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「春」(60)

2021年05月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 白樺が芽吹き出したと思ったら、雨に濡れながら緑の若葉がもう涼し気な樹形をつくり始めた。長い眠りのあと、目覚めてからの行動は早い。ダケカンバの方は白樺に遅れて、注意して見なければ分からないほどかすかな緑の色がようやく枝先を染め始めた。

 昨日の帰り、オイデエラを通りかかると、あそこの一か所、ガラスの破片やトタン板の散乱している場所に誰かが少しだけ片づけをした形跡があった。中州には白樺や柳が育ち、その少し上流からは二つの渓が本谷に流れ込んでいる美しい場所で、もう時季は過ぎたが、この春もヤエベニシダレの花が幾日もこの狭い渓を華やかにした。
 そういう場所だけに、それらの異物については以前からずっと気になっていた。誰が始めたか、思い当たる人がいないわけでもないが、はっきりとしたことはまだ分からない。
 ともかく、善意の人の仕事に刺激され、とりあえず放置され散乱したままのトタン板を何カ所かにまとめてきた。後はそれらを2枚か3枚づつ一緒に丸めて、産廃処理場へ持ち込めばいい。ただ、他にもガラスが入ったままの木製の窓枠が多数残されていて、この処置はきっと厄介だろう。
 この場所が個人の所有地とは思えないが、それでも、これらの残骸は放置されたと言うよりか、誰かが取り敢えず残置した、と思えなくもなく、そのことを気にして今まで手を付けるのを躊躇い、それが片付けの遅れた理由でもある。

 このごろ、ここへキャンプに来る人たちがいる。行儀のよい者もいれば、そうでない者もいて、特に4駆の車やオートバイが好き勝手に走り回り、土手が崩落した場所さえある。そのような招かざる者たちによって、あの美しい渓が汚され、さらに危険な場所になってしまうことを彼らは気付いていない。
 あそこで一夜を送ろうとした人たちが、クマに頭だか尻だかを齧られても困るはこまるが、オヤジが頻繁に出没するようになれば住民の暮らしも圧迫されるようになる。結果、クマが射殺されることになれば、先住者である彼が気の毒だ。
 かつては「オイデエラ」と呼んで芝平の住民が大切にしていた場所でもある。心無い人々によって荒らされるのは耐えがたいだろう。良い知恵はないだろうか。

 第2牧区のヤマナシの花が開花しだした。やはり早い。本日はこの辺で。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする