入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「秋」(7)

2021年09月08日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 
 今朝も霧が深く、気温は午前8時の段階で11度しかない。まだ9月に入って8日しか経っていないのにこの天気状況、いくら1700㍍の高地であっても明らかにおかしい、異常だと思う。裏の落葉松林の方から聞こえてくるカラスの鳴き声も、この独り言のボヤキと同じように聞えてくる。

 昨日の夕方、囲いの中の3頭の牛たちの間で気持ちがまとまらず、散々時間をかけて外へ出ていった牛たちがまた中に戻ってきている。その可能性は充分に考えられた。それでも実際にその牛たちの姿を目にすれば、やはり単純に喜んだ。
 昨日も呟いたように囲いの中と外を比べれば、どちらがいいかは牛でなくても明らかに分かる。もしまた外に出ても、呼べばきっと戻って来るだろうし、そうでなくても調教には充分な時間がある。
 この牛たちのことはさておき、第1牧区の牛たちの中には相変わらず警戒心が強いままの牛がいる。このごろは牧区に入ると牛たちはその音を聞き付けて、どこからかゾロゾロと塩場にやって来るようになった。もう少ししてからでいいが、塩場ではなく、できたら塩を持っている人間の後を追うようにできればと考えている。そうなれば、下牧の際に牛を誘導するのが楽になり、昨年のように残留牛を出すことにもないだろう。
 それと、どうしても給塩に際しては和牛の方が主導権を握る。そうなればホルスは遠巻きにして、和牛が塩を独占するのを涎を垂らしながら見ているだけだ。ホルスのためには軽トラの荷台を塩鉢代わりにする方法もあるが、その後の洗車が大仕事になる。

 昨日は、予報ほど天気が良かったわけではなかった。それでも平日の割には林道を通る人の姿が目に付き、その中には女性の単独者もいた。ここにも3人ばかり立ち寄った。このごろは女性の間でそういう山歩きが流行っているのだろうか。
 この独り言でも、山の楽しさは気の合った仲間と、そして山の良さは単独で、というようなことを呟いたことがある。今もその考え、気持ちは変わらない。特に、2000㍍前後の中級山岳なら、単独でもそれほど心配することはない、大いに山の良さを味わえばいい。
 ただ、今年は秋の来るのが早かったし、冬の到来もそうなるかも知れない。中高年の森林限界を超えた3000㍍級の単独山行は、これからは要注意である。止めた方がいい。
 この間ここへ来た70歳を超えた人が、単独で奥穂から西穂へ行きたいと話していた。剣岳の「蟹の横這い」などカンラカラカラで通ったとも。先鋭化すればするほど達成感は強くなるだろう。しかし、同じように危険度も増す。そうやって、多くの登山家が山から帰ってこなかった。一流と目された人の二人に一人、と言う人もいる。
 本日はこの辺で。

 
コメント
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