秋は天気が安定して、大きな青空が広がるような気がするが、「女心と秋の空」などという言葉があるように、実際は天気は変りやすいようだ。事実、台風14号の後たった二日晴れただけで、きょうは天も心変わりしてしまった。
実は、などと軽口をたたいている状況ではない。一昨日、用事が出来て11日ぶりに里に下り、昨日の朝上にくれば、小黒川の林道へ通ずるテキサスゲート手前で牛の落とし物を発見。明らかに牛が脱柵した証拠である。
それから、湿地帯にいたホルスの33番を牧区内に戻し、脱柵箇所及び見逃していた2箇所の沢を越す牧柵を強化するのに昼過ぎまでかかり、戻ってくれば囲いのゲートが落ちて外に出た2頭が中に戻れないでいる。そればかりか、5頭の鹿まで囚われの身となっている。
鹿などっどうでもいいが、外に出た牛を戻そうと通常の出入りに使うゲートを開け、ようやく1頭を中に戻すも、もう1頭は諦めた。
そして、その帰り、対面する第2牧区に牛の姿がないので牧区内の高台へ行ってみると、何と遠くの第2検査場にホルスの白黒模様が幾つも見える。あそこまでは行かないようにと前日、新たに牧柵を設けたばかりだったのに慌てて駆けつければ、ホルスばかりか和牛まで全頭がそこにいた。
新たな牧柵を作る際に、第2と第3の牧区を区切る牧柵のうちの何本かの支柱、及び有刺鉄線を使いまわしている。急いでそこを封じなければと、苦労して設置した牧柵を解体していたところへ、牧守の焦りを知らぬ牛の群れが戻ってきた。
後は、もうどうすることもできない。牛たちは様子も分からないまま面倒なことを嫌い、自由に第3牧区へと出ていってしまい、最早万事休す。その時、ちょうど畜産課長から電話が入り状況を伝えるも、すぐには救援しかねるとの返事。堪えにこらえていた諸々の不満が、ついに爆発した。結局、売り言葉に買い言葉のような応酬になり、牛はそのまま放置することになってしまった。
とは言え、やはりそんなわけにもいかず、さらに孤軍奮闘。弁天様の少し先にある第4牧区のゲート付近において散々に牛との追駆けっこを繰り広げ、大半の牛を取り敢えず中間検査前に牛たちがいた第4牧区内へ戻すことができた。しかし、まだ今日に至るも5頭は残留したまま、そして下からは何の連絡もない。
以上が昨日ここで起きたことのおよその顛末。さて、今後どうなるか、下牧まで残り1週間。
かんとさん、Ssanのご子息さん、通信有難く落手しました。「迷惑」など全くございませんでした。本日はこの辺で。