Photo by Ume氏
15日から18日まで4日間忙しい日が続いた。第1牧区から第2牧区へ牛を移動するための突貫工事を行い、18日、第2検査場へと通ずる牛道を封鎖して、その日の夕方には不安を抱えながらも牛たちを第2牧区へ移した。
この牧区は牧柵が渓を跨ぐといった複雑な地形に張られていて、すべての牧柵を一人で修復することなど資材もなければ、時間もないために諦めざるを得ず、放牧が長期に及べば脱柵の可能性も考えられるような不充分なことしかできなかった。そのせいだけではなかったが、急斜面にバズーカを使って新しく牧柵を張り終えた後も、いつもの達成感は湧かず、むしろ虚しさの方が大きかった。
案じていた通り、第1牧区の一番低い場所、「どん底」を定位置にしてしまった3頭の和牛は残留していた。この3頭は中間検査時に入牧した牛で、他の牛たちとは一切行動をともにせず、給塩はこちらから出向くしかなかったような世話の焼ける相手だった。29日の下牧までにはもう余裕もないが、調教を続けるしかないだろう。
焚火というのはトロトロと燃やすものだとばかり思っていたら、昨夜はそうではなかった。軽トラに積んできた太い白樺やイチイの丸太を惜しげもなく燃やし、火は一晩中燃え続け、今も燃えている。
猟師から習ったというその丸太の積み方、曰く「薪積み」は、組むのではなく、ただ同一方向に並べ重ねるだけである。ところが、丸太はどれも湿っていたにもかかわらずこれが実によく燃えて驚いた。
4人の中で焚火守をした人について、クマとも格闘・抱擁したことのある古来稀なる年齢を越えた女傑だと言えば、この辺りでなら分かる人は分かるだろう。面識はあったが、キャンプに来たのは初めてだった。オソレイリマシタ。
昨夜はご希望によりまた望遠鏡を出した。木星とその衛星を見て、次に土星に変え、今まで使用してなかった最高倍率のレンズでも見ることができた。望遠鏡の性能を再評価でき、それは良かったが、同時に極軸望遠鏡の取り扱い方をきちんと習わなければいけないことも痛感した。赤道義が対象の惑星を自動追尾してくれても、初期設定がいい加減ではそれを生かせない。
Ume氏の空撮写真をようやく掲載するに相応しい天気になった。お楽しみに。本日はこの辺で。