入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’16年「初冬」 (5)

2016年11月08日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 午前6時、気温2度C薄曇り。久しぶりに朝焼けを眺めている。昨夜も上に泊まった。「NPO法人みろく山の会」の冬季合宿(2月25,26,27日)の荷揚げがあったり、罠に掛かった雄鹿の始末に思いのほか手間取ったせいだ。

 今日の写真は、山室川と栗立川の合流点である赤坂狭で、昨日上ってくるときに撮った紅葉(こうよう)。ここから種平小屋へは、徒歩でも15分で行ける。
 さて、これはカエデかモミジか。この付近にはたくさんの似た種類の紅葉(こうよう)が見られ、そのトンネルを抜けてくる。赤や黄色に色付くそれらを、いままでずっと単純にモミジだと思って眺めてきた。今も、あえて正確にその種別を付ける気にはならない。五つに切れ込んでいるからモミジ、その程度で充分である。
 山室川が削ったこの芝平の谷には、注意して見るまでもなくカエデだか、モミジだかがよく目に付く。それが清冽な水の流れとよく合って、春夏秋冬移ろいゆく季節に応じてこの淋しい谷を飾る。
 
 そう、思えばこの谷こそが遠い昔、北原少年が分校に通う姿をじっと見続け、長じてこの谷を去っていく後ろ姿を見送り、そしてまた、法華道に憑かれた身がこの谷に戻ってきたときも黙って迎え、見守った。北原のお師匠にとってはかけがいのない谷であり、故郷(ふるさと)である。





 よく闘った。

 Xさん、残念ですが、コメント届きませんでした。千葉のMさん、まだ雪はありませんから四駆でなくとも大丈夫です。

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    ’16年「初冬」 (4)

2016年11月06日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

  Photo by Ume氏
 午前5時半、気温マイナス3度C。1時間前、早立ちを決めたF/59さんの車がスタックして、それで脱出を手伝った。そのときはまだ夥しい数の星が夜空一杯に見えていたが、西の空が明るくなりかけたころ外に出て驚いた。一夜頭上であれほど賑やかな光の競演を続けていた星たちが、嘘のように消えていた。まるで華やかな踊り子たちのいなくなった舞台のように、虚ろな、色のない空だけが広がっていた。

 昨夜は小屋に10名、管理棟の10畳2部屋にもそれぞれカント氏とF/59さんが泊まった。夕暮れ、宿泊者全員で望遠鏡を使って三日月を眺めた。初めての体験だった人もいて、視界の中に飛び込んできた目前の迫力のある月の表面、クレーターの作る陰影に驚きの声を上げていた。
 その後も、夕食を済ませた小屋の男女らは寒さにもめげず再度豪勢な冬の星空の下へ参集し、シートの上に横になり煌めく星々の姿に見入っていた。結構流れ星も見えたし、天の川、白鳥座、そして冬を代表するオリオン座、昴・・・、しっかりと記憶の奥に留めたことだろう。
 都会の夜空を見慣れた彼ら彼女らはそのつもりで外に出て、見上げた星空のあまりの壮麗さに息を呑む。そして皆、思わず驚きの声を上げる。昨夜の会は、ここをよく知る上司たるT氏の発案で、結婚退社する女性社員を送別する会だったそうだ。どうぞオ・シ・ア・ワ・セ・ニ。


 Photo by カント氏(既出)
 
 そしてカント氏。昨夜2泊して帰ったTBI氏もそうだったが、カント氏も気温がマイナス以下となる11時ごろから準備を始め、それから明け方までずっと、目標の星や星雲を追い続けた。まさに星の狩人たちだ。いくら「好きなことをしているだけ」とは言うものの、その熱意にただただ感服する。
 木、金、土と続いた晴天にも、翳りが見え始めた。これも、雨男の噂も聞く、カント氏の実力というものだろう、クク。
 
 氏の天体写真は、カテゴリー別の「入笠牧場からの星空」をぜひご覧ください。
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    ’16年「初冬」 (3)

2016年11月05日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


良い天気の日が続いている。このブログのタイトルも変え、気分もすでに冬へと移行しつつあったのに、偏屈だった天気が今頃になって妙な取り繕いを見せてくれている。落葉松を残して大方の木々の葉は落葉した。北アルプスも、特に後立山は、ほぼ冬の装いに変わった。ここも夜間は零度以下となる。遅きに失したという気がする。

 だからこれも遅きに失したと言われるかもしれないが、敢えて・・・紅葉(こうよう)について(もっとも、都会はこれからとか)。
 子供のころからともかく、赤く色付いた葉はモミジだと思っていた。ところが「オレもいるぞ」、「おれが親分だ」とカエデに言われた。それで以前にも書いたが(株)山と渓谷社の「日本の樹木」で調べてみようとして、あまりの種類の多さに投げ出した。
 ところがきょう、毎日新聞の「ここで間違う」というコラムを読んでいて胸に落ちた。要するに秋になって草木の赤や黄色に色付くことを紅葉(こうよう)と言い、その代表がカエデと、モミジであるらしい。
 そこで今度は問題のカエデとモミジはどう違うかということだが、譬えてみれば、「カエデ一家」にモミジという子分がいるらしい。モミジは若頭になれても親分ではないから、一家を構えることはできない。その代表がイロハモミジであり、オオモミジであり、ヤマモミジであるようだ。そしてこれらに、さらに改良された園芸種が加わる。だからここから先は、モミジの種類を見て覚えるしかない。そしてそれ以外はカエデ科カエデ属のいろいろな種類のカエデであり、これも興味があれば面倒でも見て名前を覚えるしかない。
 ただし盆栽の世界では別で、葉が五つに切れ込んでいればモミジで、三つはカエデとなるらしい。これは単純で分かりやすい。
 もう一言、紅葉(こうよう)とは、「秋に草木の葉が赤や黄に変わること」(日本国語大辞典)とあるから、必ずしも赤く染まった草木の葉ばかりでなく、黄色の葉も紅葉(こうよう)の仲間に入ることになる。山の歌で「黄葉(おうよう)」という言葉をそのナレイションの部分で聞き違和感を覚えたが、やはりこれはおかしいということになるだろう。ただし、それも「こうよう」と読むなら、さてどうなるのだろう?

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    ’16年「初冬」 (2)

2016年11月04日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by カント氏(既出)

  昨夜も上に泊まった。そして予想通りの素晴らしい夜空の出現に興奮し、感動した。
 まずは新月から間もない細身の月を見た。暗くならないうちから望遠鏡を眉月に向け、倍率を変えながら白い表面に浮き上がってくるクレーターや、その背後の暗い深淵を見た。「覗く」と言った方が正しいかも知れない。
 暗くなるにつれて星の輝きは増し、頭上には光の煙のような天の川や、それに絡む夏の大三角形が現れ、次第に星の光で溢れてきた。いつのまにか、月は西の方に消えていた。
 入笠山の上に、冬を代表する星座オリオン座が昇ってきたころには気温もかなり落ちて、近年すっかり寒さに弱くなった身では高所用の羽毛服を着ていてもかなり応えてきた。何とか耐えて、ぼうっと妖しく霞むM42(オリオン大星雲)を低倍率で眺め、さらに冬の大三角形の登場を待った。
 JALNECの知性”知り過ぎてる男”W氏も帰らずに寒さと闘いながら一緒にいたが、望遠鏡の操作は星の狩人TBIさんに頼りっぱなしだった。そして冬の大三角形のうちオリオン座のベテルギウスと子犬座のプロキオンは確認したが、大犬座のシリウスの現れるのを前に、寒さ、睡魔、酔いの三重苦に敗れ、部屋に逃げ込んだ。そこまでだった。W氏も去った。
 しかしTBIさんは、そこから本格的な観測を始めた。やはり年季が違う。
 4時半に目覚めて凍てる夜空を眺めようと外に出てみたら、眼鏡をしてなかったため星々がみな大きく見えたせいもあったが、その荘厳な光の賑わいに息を呑んだ。中天よりやや西にオリオン座は移動していて、圧巻シリウスの存在も加え、神々しいまでの星の競演が続いていた。



 そして今朝の天気。真っ青い空の下、北アルプスはもちろん、中央アルプスも空木岳まで紛う方なく冠雪していた。これからはこういう眺めが日常に入ってくる。

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    ’16年「初冬」 (1)

2016年11月03日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 午前8時、気温5度C、晴れ。上に泊まる。昨夜雪が舞ったらしいが、しかとこの目で確認することはできなかった。朝一番で牧区の見回りと、罠の点検に出た。
 大沢山から入笠山の山頂を見ると、早くも人の姿がチラホラとしていたが、彼らは望むような眺望を楽しめたのだろうか。北アルプスは初冠雪があったかと期待したが、無粋な雲が山並みを隠してしまって何も知ることができないまま帰ってきた。 昼、マナスル山荘本館へ昼飯を食べに行ったら、八ヶ岳が冠雪していた。当然北アルプスも雪だったろう。
 太った雄鹿との対決は勘弁してほしいと一昨日だったか書いた。それでも、5台ほど仕掛けてある罠の様子も見て回った。鹿の姿はなし。いつものことながら軽い失望と安堵。罠を仕掛けた以上は捕獲につなげたいが、さてその後のことを考えると、いまだに気が重い。しかしあの人たちは、そんなことに頓着せず、ただ美味しいと言って食べてくれればそれでいい。

 JALNECのメンバーと入れ代わるように、星の狩人TBI氏が来た。カント氏は来ない。空が澄み渡り、今夜の星空は凄いことになる。もう一晩ここで、久しぶりに望遠鏡も持ち出し、「無窮の遠(おち)」へと旅をすべきか迷っている。
 風に冷気を感じるようになった。きょうからタイトルを変えることにした。天候不順な天気ばかり続いたが、それでも去っていく秋に深い感謝と、惜別の思いを感じている。

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